キャリアガイダンスVol.438
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学校全体で組織的に取り組んでいる学年や課程・学科・コース単位で取り組んでいる取り組んだがうまくいかず、一斉講義型の授業に戻した教科単位で取り組んでいる取り組んでいない教員個人で取り組んでいる取組状況を把握していない無回答導入・計中止・非導入・計組織的対応・計学校で授業改善による変化が実感されている。「次年度以降強化・注力したいこと」では上位を【生徒】の項目が占める。「思考力・判断力・表現力の向上」59%を筆頭に、「学びに向かう姿勢・意欲の向上」49%、「主体性・多様性・協働性の向上」47%、「基礎的な学力(知識および技能)の向上」45%と続く。 また、「今年度までの変化」と「次年度以降強化・注力」の差で比較すると、【生徒】の「思考力・判断力・表現力の向上」、「基礎的な学力(知識および技能)の向上」の2項目で特に差が大きい。 さらに推進するための課題としては「教員の指導スキルの向上」「教材開発や授業準備の時間の確保」が挙げられるものの(データは割愛)、これまでの【教員】の「授業設計力の強化」や「授業観の変化」の段階を経て、その成果としていよいよ【生徒】の資質・能力の向上を目指す段階に入ったと言えるのではないだろうか。 次ページでは、この授業改善を柱に学校改革を進めつつある高校の事例をご紹介したい。「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング、以下AL)の視点による授業改善の取組体制」についてたずねたところ(図8)、「学校全体で組織的に取り組んでいる」38%、「学年や課程・学科・コース単位で取り組んでいる」6%、「教科単位で取り組んでいる」18%と、組織として対応している学校は61%。この割合は調査を重ねるごとに増え、2014年の21%から約3倍となった。図9では授業改善に取り組む学校にそれによる変化の状況をたずねた。「今年度までの変化」は【教員】「教材開発や授業設計力の向上」39%が最も高く、以下、【生徒】「学びに向かう姿勢・意欲の向上」37%、【教員】「教員の授業観の変化」36%、【生徒】「主体性・多様性・協働性の向上」34%と続く。1つでも選択した割合は85%で、多くの組織的な対応が6割へ伸長、学校全体での取組も4割へ注力の優先順位の上位はすべて「生徒の変化」へ「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)の視点による授業改善への取組体制 (全体/単一回答)図8授業改善への取組による変化 (「主体的・対話的で深い学び」の視点による授業改善導入校/複数回答)図9思考力・判断力・表現力の向上学びに向かう姿勢・意欲の向上主体性・多様性・協働性の向上基礎的な学力(知識および技能)の向上クラスの雰囲気の良好化教材開発や授業設計力の向上教員間の連携の促進教員の授業観の変化育成したい資質能力に基づくテストを作成教員の発問力が向上教員の学習意欲の高まり生徒理解の深まりその他教員のコミュニケーション力の高まり特にない校内の雰囲気の良好化まだわからない今年度までの変化次年度以降強化・注力したいこと差(次年度以降ーこれまで)23.237.333.520.218.538.823.935.610.712.316.221.70.419.63.5 9.5 9.258.649.147.344.914.943.432.730.929.225.923.823.70.423.50.215.1 2.735.411.813.824.7▲ 3.64.68.8▲ 4.718.513.67.62.00.03.9▲ 3.35.6▲ 6.56040200(%)※2016年以前は「学年や課程・学科・コース単位で取り組んでいる」「取り組んだがうまくいかず、一斉講義型の授業に戻した」を除く5つの選択肢で聴取授業改善教員の授業設計力や授業観の変化を経て、今後はさらなる生徒の力の向上へ2021年全体1,1562018年全体1,2032016年全体1,1052014年全体1,14061.494.75.237.829.324.58.75.53.017.218.117.351.112.033.340.726.40.10.60.41.70.80.33.20.92.53.56.23.633.517.749.690.49.141.792.96.820.747.151.2組織的対応・計導入・計中止・非導入・計n数(%)生徒教員その他今年度までの変化次年度以降強化・注力したいこと※カテゴリーごとに「次年度以降強化・注力したいこと」の降順ソート  ※差が10ポイント以上高い数値を■色で表示35.411.813.824.718.513.6(n=1,104)「高校教育改革に関する調査2021」結果詳細はリクルート進学総研サイト(http://souken.shingakunet.com/research/)でご欄いただけます。教育、進路指導をどう転換していくか?「高校教育改革に関する調査 2021」調査レポート152021 JUL. Vol.438

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