キャリアガイダンスVol.438
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「総合的な探究の時間」への取組による生徒の変化(総合的な探究の時間」取組校/「そう思う・計」の割合)図12生徒の進路選択に対する「探究活動」の影響 (全体/複数回答)図13主体性・多様性・協働性が向上した前向きな進路選択の態度の醸成につながる思考力・判断力・表現力が向上した地域や社会への興味・関心が高まるその他進路実現につながる・計学びに向かう姿勢・意欲が向上した総合型選抜等、入学者選抜に活用できる基礎的な学力(知識および技能)が向上した志望校や志望分野選びにつながる進路実現につながると思わない進路指導部等、分掌が主導で40~70%未満プロジェクト等、一部の教員で40%未満18924098405学年や課程・学科・コース単位で70~95%未満368313学校全体で組織的に95%以上424192「総合的な探究の時間」取組状況別大短進学率別2021年2021年全体全体1,0791,15669.861.262.060.12.657.650.71.828.748.697.979.257.374.544.8 3.667.552.6 1.634.762.597.964.463.356.053.7 1.353.565.8 1.325.859.498.765.162.558.260.555.065.8 2.549.752.1 2.543.968.6 3.244.937.5 2.026.547.197.518.434.697.5808010010060604040202000(%)(%)n数n数 では探究活動は、生徒の進路選択にどのようにつながっているのだろうか(図13)。98%が「進路実現につながる」と感じており、具体的には「前向きな進路選択の態度の醸成につながる」61%、「地域や社会への興味・関心が高まる」60%が拮抗して高く、2大効果と言える。 大短進学率別に比較すると特徴が見られる。進学率の高い層では「志望校や志望分野選びにつながる」が高く、95%以上の進学校、70〜95%未満校共に6割と全体に比べて10ポイント以上高い。また70〜95%未満校では「総合型選抜等、入学者選抜に活用できる」も全体に比べて15ポイント高く、進路選択への直接の影響が強く想定されている。70%未満の層では「地域や社会への興味・関心が高まる」が高い。地元への貢献意欲や就職につながることが想定されている。なお、「前向きな進路選択の態度の醸成につながる」は大短進学率に関係なく6割前後と高く、探究活動を通じて自らの生き方を考えるキャリア教育的な効果は、進学・就職を問わず進路にも影響を与えると考えられていることがわかる。 次ページでは、探究を通して生徒の学習意欲を高め、進路選択にも接続しようとしている事例をご紹介したい。進路実現につながる・計2021年 全体95%以上70~95%未満40~70%未満40%未満2021年 全体学校全体で組織的に学年や課程・学科・コース単位で進路指導部等、分掌が主導でプロジェクト等、一部の教員で※「2021年 全体」の降順ソート  ※「2021年 全体」より5ポイント以上高い数値を■色で表示 ※「進路実現につながる・計」はいずれか1つでも選択した割合※「2021年 全体」の降順ソート  ※「2021年 全体」より5ポイント以上高い数値を■色で表示65.868.662.559.465.8●授業で学んだ内容を、放課後に残って理解できていない生徒へ伝える、学び合いの姿勢が育った(北海道/道立/普通科)●なぜ学んでいるのかということを自分自身へ問いかける機会となっている。自分ごとの課題に向かう学びのスイッチが入る生徒が出現した。その生徒たちの影響がまた周囲の生徒に波及していく。何サイクルか回ると、集団の学びに向かう力が劇的に変わる可能性を感じる(宮城県/県立/普通科)●仮説を立てる上で、分析力や想像力を働かせることができるようになった。情報収集力がついた。自分の意見を持ち、その意見を発表することができる(福島県/県立/総合学科)●考えをまとめ、発表する経験がここ数年で急激に増えたことで、多少の失敗を受け止められるたくましさや度胸が育った(千葉県/私立/普通科と他学科併設)●自己肯定感が高まり積極的に物事に取り組む生徒が増えた(宮崎県/県立/普通科と他学科併設)探究で感じる具体的な生徒の変化進路選択への影響トップは「前向きな進路選択の醸成」と「地域や社会への興味・関心」79.274.567.534.7182021 JUL. Vol.438

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