20406080 最後に、本誌が経年で追い続けている「進路指導上の課題」を見てみよう(図18年調査と変わらないが、いずれもスコアは経年で下がっている。 逆に伸びている課題は、【進路環境】「産業・労働・雇用環境の変化」(16年比+9ポイント)、「仕事や働くことに対する価値観の変化」(同+6ポイント)、【学校】「旧態依然とした教員の価値観」(同+6ポイント)。急激な社会の変化を今回のコロナ禍がさらに加速させているなか、先生たちの価値観も含め、進路指導の変化がそれに追いついていないという学校の危機感が垣間見える。 前段で見てきたように、学校運営や19)。1位【学校】「教員が進路指導を行うための時間の不足」57%、2位【生徒】「進路選択・決定能力の不足」52%、3位【進路環境】「入学者選抜の多様化」49%、4位【生徒】「学習意欲の低下」45%であった。上位の顔ぶれは20教育そのものが、コロナ禍やICT、入学者選抜改革や新学習指導要領といった外部変化にも促され、本質的な変化を起こそうとしている今、進路指導も、社会環境の変化を受け止めて進化する転換点にあるのかもしれない。 次ページからは、社会や生徒の変化を捉え、偏差値という価値観に変わる新たな軸で進路指導をバージョンアップしようと試みる3校の取組をご紹介したい。学校の外との接続、探究をコアにした進路支援、先生方の意識変革など、それぞれの課題感やビジョンに基づいた三者三様のアプローチになっている。「教員の時間不足」「生徒の決定力不足」「入試の多様化」に加え、社会変化への対応が増加傾向進路指導上の課題 (全体/複数回答)図19進路選択・決定能力の不足学習意欲の低下職業観・勤労観の未発達学力低下規範意識・道徳意識の低下生徒の問題・その他進路環境変化への認識不足保護者が干渉しすぎること家庭・家族環境の悪化:家計面について子どもに対する無関心・放任子どもに対する過剰な期待家庭・家族環境の悪化:家計以外の面について学校や教員への非協力保護者の問題・その他教員が進路指導を行うための時間の不足旧態依然とした教員の価値観教員の実社会に関する知識・経験不足校内連携の不十分教員の意欲・能力不足生徒とのコミュニケーション不足学校の問題・その他入学者選抜の多様化産業・労働・雇用環境の変化仕事や働くことに対する価値観の変化上級学校の学費高騰高卒就職市場の変化入学者選抜の易化進路環境の問題・その他51.845.044.142.412.33.643.335.033.429.227.314.611.82.257.033.426.624.722.8 14.92.848.639.134.322.714.113.51.359.350.341.747.312.53.8 42.633.840.230.829.214.47.92.358.029.027.227.922.014.63.050.628.230.025.514.220.42.666.654.348.948.414.25.546.635.150.530.829.915.37.72.967.327.723.934.828.217.73.562.629.928.324.910.922.52.9進路指導における課題社会や働くことへの価値観の変化を受け、進路指導も大きく転換する時期生徒の問題保護者の問題学校の問題進路環境の問題02021年全体(n=1,156)2018年全体(n=1,203)2016年全体(n=1,016)※カテゴリーごとに「2021年 全体」の降順ソート※2016年は、進路指導を「非常に難しいと感じている」「やや難しいと感じている」回答者による困難の要因2021年 全体2018年 全体2016年 全体(%)2位4位5位1位3位242021 JUL. Vol.438
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