キャリアガイダンスVol.438
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ました。同地区の校長同士での頻繁な情報共有も助けになり、仲間の支えにも感謝しています。 丁寧に検討を進めて実行したことで、年度末の生徒と保護者アンケートでは、すべての項目で前年度を上回る評価を頂くことができました。菅沼 臨時休業ではとにかく「授業を止めない」ことをベースに考えてきまし徹底的に生徒に寄り添い、生徒の 「やりたい」を諦めさせない (安田先生)た。ありがたいことに先生たちが自主的、ゲリラ的にYouTubeやZoomを使った授業をやり始めてくれて、自然発生的に「コロナ対策ICT委員会」が立ち上がりました。その委員会を中心に、ICTをどのように使っていくかを検討・実施してもらいました。今後もさまざまな理由で登校できない生徒が出ることを想定し、基本は対面授業でありつつ、オンラインも常時併用していくことも検討しています。 緊急時の対応で、先生たちの働き方改革も考慮しなければならなかったので、実験的に夏休み期間はオンライン授業を自宅からやってもらったりもしました。真下 未曽有の事態で私のキーワードは「繋がる」でした。公立・私立問わず友人である他校の校長先生たちとオンラインで繋がって、お互いの取組について情報共有し、他校のやり方を真似し合って一緒に進んでいった感じです。これが本当にありがたかったです。校長はある意味校内では孤独で一人で責任を負うようなところがありますが、他校の先生たちと繋がることで、学校経営に余裕ができたかなと思います。 そして、コロナ禍がチャンスと思ったことがいくつもありました。県立・私立で4校の女子校の教頭・校長を担当するなかで課題だと感じていたのが、DX部門において女子の活躍の場面が少なかったことでした。オンライン授業やICTを駆使していくことでそこが強くなれるチャンスと思いました。 また、学校改革の核は授業だと考えているので、管理職になってからずっと授業観察を続けていますが、先生方の授業スキルが昨年度、飛躍的に向上しました。先生たちにとっても、ICTの使いこなしだけでなく授業を工夫し成長するチャンスだったのです。 そして私自身、昨年の臨時休業の時期に、昭和中高に着任しました。普通だったら「外部からどんな校長が来るんだ?」と疑心暗鬼から始まると思いますが、最初から運命共同体としてスタートできたことはチャンスだったと感じています。―菅沼先生がコロナ禍などの外圧がなくても生徒が本来もっている力を引き出す学校にならなければというお7060504030201070605040302010※2021年の「特に必要とされる能力」の降順ソート(%)(%)55.259.060.317.014.212.122.927.028.313.09.39.716.312.813.14.24.34.742.445.044.15.43.02.820.215.717.122.421.722.415.915.617.814.719.220.232.723.416.96.34.56.717.920.722.54.54.73.214.112.115.034.733.832.329.829.035.313.311.27.917.615.111.76.85.77.010.610.313.5ーー57.954.351.6【主体性】物事に進んで取り組む力【発信力】自分の意見をわかりやすく伝える力【ストレスコントロール力】ストレスの発生源に対応する力【課題発見力】現状を分析し、目的や課題を明らかにする力【柔軟性】意見や立場の違いを理解する力【情況把握力】自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力【創造力】新しい価値を生み出す力【計画力】課題の解決に向けたプロセスを明らかにし、準備する力【傾聴力】相手の意見を丁寧に聞く力【実行力】目的を設定し確実に行動する力【働きかけ力】他人に働きかけ巻き込む力【規律性】社会のルールや人との約束を守る力ひとつもあてはまるものはない0.29.111.213.42021年 全体(n=1,156)2018年 全体(n=1,203)2016年 全体(n=1,105)2021年 全体(n=1,156)2018年 全体(n=1,203)2016年 全体(n=1,105)00再掲:社会で働くにあたって【特に必要とされる能力】と【生徒が現在持っていると思う能力】(全体/3つまでの複数回答)図18【特に必要とされる能力】【生徒が現在持っていると思う能力】教育、進路指導をどう転換していくか?環境変化も機会と捉え ありたい学校の姿をつくっていくには292021 JUL. Vol.438

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