キャリアガイダンスVol.438
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学校を超えて教員が繋がることで高校も大学も変わるはず (真下先生)あります。女子校の良さは、それを飛び越える自信をもたせやすいこと。だから、先生たちには女の子を元気にできる存在になってほしい。そのために先生たちと対話しながら意思形成していきたいですね。安田 先生方のお話を伺って、自分ももっとビジョンを広げていきたいと強く思いました。まずは産業社会と人間や総合的な探究の時間で、本校のカラーが出せる取組をしたいと思っています。本校は大阪の中心に位置しており、多様なリソースがあります。そうした地域特性を取り入れることで、SDGsについて学び、一歩踏み出す取組ができると考えています。それが私の目指す取組なので、カリキュラムに落として必ず実現します!真下 皆さんとお話しして改めて思ったのは、各高校同士は競争じゃないということです。一緒に成長し、進化していくという構図が理想。今日も地域も立場も違う皆さんと情報交換できて本当に良かったです。いろんなことを情報共有し、困ったことは相談して高校全体が進化することこそが、大学を変えていくための力にもなるのではないかと思います。夢のような話でもやらないと変わらないし、大学も高校も変わらなくてはいけない。皆さんと繋がることできっとそれができると、私は希望をもっています。時間割に落とすのは難しいですが、浮いた時間を生徒たちが本当に自分の将来を考えながら活かすことができる学校の姿を模索していきたいです。勝部 社会や外部と圧倒的に繋がっていて、その実感を生徒たちが感じられる学校が理想です。教員定数の10倍くらいの〝教師〞がいるような感覚で、いろんな人の知恵と経験が相互補完的に生徒に刺激を与えられるような学びの場にできたらと考えています。オンラインを駆使すれば、どこでもドアのようにあちこちの人と繋がれますよね。家庭の経済状況が子どもの学びにダイレクトに表れてしまう多様校の生徒たちこそ、そうした外の世界のことを知って、数十年後の社会の現実をちゃんと考えながら、自分がどうしていきたいかを見つけていってほしいと思います。真下 たまたまずっと女子校で仕事をする機会をもらっているので、女の子たちの能力をもっと発揮させたいというのが学校経営の視点です。ジェンダーギャップは世界にも日本にもまだまだあります。ガ※ラスの天井もあれば女性自身が踏み込んで行かないこともラインで受けられます。そうなると優秀な生徒はどんどん海外に行ってしまう。そういう構図がもう起きているのだから、大学が入試も授業も面白くしないと高校生から選ばれませんよ、という流れにできたらと思います。―中教審の答申ではスクールミッション、スクールポリシーの策定も提言されています。学校のあり方が問われているとともに、それぞれの学校で模索してもいいというメッセージにも聞こえますが、皆さんはこれから、どんな学校を創っていきたいですか。菅沼 やはり生徒一人ひとりが個々の良さを伸ばせる学校ですね。今の子どもたちは自分でやりたいことを見つけられれば、与えられた時間を活かして自分で動くことはかなりできます。昨年度は授業時間が例年の80%ぐらいだったと思いますが、「それで授業が遅れたと言わないようにしよう」と、なんとかやりきってもらえました。今年は逆に、昨年20%減らしてもできた事実をベースに、「だったらその20%で別のことができる」という理屈で授業改革をやろうとしています。*社会的マイノリティの組織内での地位向上を阻んでいる、目に見えない障壁。教育、進路指導をどう転換していくか?環境変化も機会と捉え ありたい学校の姿をつくっていくには312021 JUL. Vol.438

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