を学習者視点で整理し直したものです。 もちろん「個別最適な学び」が孤立した学びに陥ってはいけません。そのため、多様な他者との「協働的な学び」も大切であり、これらを一・体・的・に・充実させていく。そうした観点で学習活動を捉え直し、これまで培ってきた工夫や、ICTなども活かすことで、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善につなげることが期待されています。 高校に関しては、特色化・魅力化を推進するべく、「スクール・ミッション」の再定義と、「スクール・ポリシー」の策定を求めています(図2)。「そんなものとっくにある。何を今さら」とお叱りを受けるかもしれません。確かに、校是・校訓や教育理念・目標のない学校はないでしょう。だからこそ、そうした理念や目標を実質化できるよう、そこに向けた手立てを確立するのは、至って当然のことだといえます。「育成を目指す資質・能力に関する方針」から逆算し、「教育課程の編成及び実施に関する方針」、そして「入えるものです。 答申の「はじめに」に、「一人一人の子供を主語にする」という表現がありますが、新学習指導要領においても前文や総則から一貫して、学ぶ側に視点を置くことの重要性が強調されています。もちろん、以前から「生徒主体」と言われてはきましたが、きちんとできていたかというと疑問です。教科書を予定通り消化できないと嘆く先生の誠実さは大事だと思います。ただ、先生が教科書を終わらせることと、生徒が内容を理解することは別ではないでしょうか。生徒を主語にして考えると、先生の計画の先にあるはずの、生徒自身がその教科を学ぶことで見方・考え方を身につけることこそが重要だという点に気づくことになります。 詳しい内容は答申をお読みいただくとして、答申の副題にもある「個別最適な学び」も、従前の学習指導要領で語られてきた「個に応じた指導」教師が教科書を終わらせることと、生徒が理解していることは別※答申総論解説資料より https://www.mext.go.jp/content/20210329-mxt_syoto02-000012321_1.pdf答申の背景と新たな動き図1カリキュラム・マネジメントそのものといえる「スクール・ポリシー」教育、進路指導をどう転換していくか?一人一人の生徒を主語にする、もっと自由で魅力ある学校づくりを332021 JUL. Vol.438
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