̶変革に挑む̶地方議会で落選中の身だった30代半ば、夫婦で保育園を開きました。園庭を駆け回る子どもたちの姿に無限の可能性を感じ、その可能性を最大限引き出す仕事に携わりたいという夢を抱きました。それを実現したのが1986年開校の西大和学園高校です。目標は「日本一」の学校となること。何をもって日本一とするか、最初はあれもこれもと欲張りましたが、生徒や保護者の願いである進学に絞り、情熱あふれる先生方が一枚岩となったことで、有数の進学校となり、難関大学の合格者数において目標まであと一歩のところまできました。 夢はそこにとどまりません。学校法人設立以来、先生方とは「生徒の夢をも近い広大な土地を確保できたことは、ワンキャンパスの総合大学を目指すうえで幸運でした。ただし、いたずらに規模を拡大するつもりはありません。社会の変化に対応できる瞬発力、機動力ある組織でいたいのです。 一方、保育園開園時から変わらないのが、子どもたちの可能性を引き出すという信念であり、先生方の教育に対する思いです。情熱は西大和学園に共通するキーワード。「学生の目標達成のために全力を尽くす大学」というポリシーのもと、学生と教職員の情熱が共振する学風を貫いていきます。現段階で大学院をつくるつもりはありません。研究も大切ですが、教育体制の充実こそ急務であるから。特に力を注いでいるのが実学的・実践的な学びでありキャリア教育です。例えば政治経済学部では、日本を代表する企業の経営陣による週一回の実学講座や、政官財界で活躍する特任教授による月一回のリレー講義を実施し、学生の人気を博しています。また教育学部では、グループ各校との連携はもとより、吹田市と提携し地域の公立学校でのインターンシップを1年次から実施しています。こうした取組が卒業後のミスマッチをなくし、社会の各層で活躍し、貢献することにつながればと願います。【学長プロフィール】たのせ・りょうたろう●1943年生まれ。名古屋工業大学工学部卒業。五條市議会議員、奈良県議会議員を経て衆議院議員。自由民主党総務会長等を歴任。議員活動と並行し81年なかよし保育園を開園。以降、西大和学園高校、西大和学園中学校、西大和学園カリフォルニア校、白鳳女子短期大学(現 白鳳短期大学)、大和大学を設立。学校法人西大和学園会長。【大学プロフィール】2014年開学。理工学部(理工学科)、政治経済学部(政治行政学科※、経済経営学科)、社会学部(社会学科)、教育学部(教育学科)、保健医療学部(看護学科、総合リハビリテーション学科)。※2022年4月政治・政策学科に名称変更予定。西大和学園の集大成として開学。貫くのは、若者の可能性を引き出すという変わらぬ思いと先生方の情熱応援したい」「海外に挑戦したい」「最終的には高等教育だ」と語りあったものです。それらを形にしたのが西大和学園カリフォルニア校であり、白鳳短期大学であり、学園の集大成として2014年に開学した大和大学です。 今度の目標は「東の早慶・西の大和」と呼ばれること。それには総合大学としての体を成す必要があると考え、教育学部と保健医療学部を皮切りに、16年に政治経済学部、20年に理工学部、21年に社会学部を設置。23年には文理融合型の情報系学部を設置構想中(※1)で、その後、国際系学部の設置も視野に入れています。また、開学10年目にあたる23年には4000人収容のアリーナも完成予定。大阪駅にまとめ/堀水潤一 撮影/桑島 薫大和大学学長田野瀬良太郎※1 構想中のため変更する場合あり。572021 JUL. Vol.438
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