キャリアガイダンスVol.439
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京の大学生の皆さんとは、1年生の夏に出会いました。探究活動で、僕らのグループは「吉賀町にテーマパークを作れないか」と考え、調査をするため、一緒に地元のアスレチックや宿泊施設を回りました。その後もオンラインでほかに何を調査したいかなど話し合い、10月には僕らが東京に行き、大学生がアポを取ってくれた海浜公園を取材。2月には大学生がまた吉賀町に来て、成果発表を見てくださいました。 2、3年生の探究活動は、コロナの影響で大学生が吉賀町には来られなかったのですが、それでもオンラインで相談に乗ってもらいました。 この3年間の活動で、僕らは最初、「自分たちで動く」ことをあまりしていませんでした。でも大学生が来て、意見をばんばん出してくれて、率先して動くのを見て、「こういうふうにやるんだ」と知って、僕らもアクティブになれたんです。そうして動くなかで、「挑戦する力」や「失敗から学ぶ力」がついたと思います。 大学生からは「自分にはない価値観」も教わりました。吉賀町って、面白くない場所だとずっと思っていたんですよ。でも「ここが面白い」「こんなに川がきれい」と外からの意見をもらえて、地元の良さに気づくことができたんです。将来どういう道に進みたいとか前は特になかったのですが、吉賀町の魅力をもっと広めたくなり、「そのためにこの大学のこの学部で学びたい」という自分の進路も見つけることができました。 志望する大学は関東にあります。僕も一度、外から吉賀町を眺めてみたくなったのです。いずれは戻ってきて、地域の子どもと大人がつながる場所を作りたいな、と思っています。東東京の大学生とチームを組んだ探究活動。ばんばん意見を出すその姿から学んだし自分にはない価値観も教えてくれた吉賀高校(島根・県立) 3年生下しもの野翔しょうき輝さん2年次の発表資料。後輩たちの進路の参考になる動画を作ることを目指した。1年次の探究活動、大学生とのグループワーク。学生の積極的な姿が刺激に。2、3年次、下野さんたちは地元の働く人を取材し、動画にすることに挑戦。吉賀町での課題発見(1年)、課題解決(2年)、課題発展(3年)に挑む探究活動を、青山学院大学・法政大学と連携して展開。高校生が大学生とチームを組み、吉賀町と東京の2カ所で、探究テーマに関わる人や施設を取材。高校生は、大学生の言動からも学びながら、課題解決に取り組む。また、1年間の集大成となる成果発表会でも大学生からフィードバックをもらう。吉賀高校の高大連携●人見知りだったが、大学生との交流で、外との関わりを楽しめるようになった。●大学生の「意見を出すところ」や「率先して動くところ」を見習おうと思った。●大学生を見習って自分から動くことで、挑戦する力や、失敗から学ぶ力がついた。●自分にはない視点をもつ大学生の意見がきっかけで、地元の魅力に気づいた。●将来やりたいことが見つかり、そのために大学で勉強したいこともできた。下野さんにとっての高大連携大学生と一緒に探究活動するなかで、自分たちで動くことや、自分にはない価値観を学ぶことができると思います。「自分が一番成長できる時間」になるはずです。高大連携を後輩に伝えるなら高校生112021 OCT. Vol.439

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