図1:個性に応じた学び(マイプロジェクト)の支援を軸とした高大一貫教育●探究で見方・考え方を深める●「自分らしさ」を追求する●マイプロで価値を創造する●総合型選抜・学校推薦型選抜などでマイプロ・探究の成果を評価●マイテーマに寄り添った授業・課外活動の運営(学生の問いに専門科目で答える)●“マイプロ”で価値を創造する●授業で深めた見方・考え方や価値創造力を武器に挑戦「自分らしく社会に参画する力」がつく起業力がつく自分らしく働ける学生の成長地域創生地域で「問い」をもち、すぐに地域で活動できる状態で入学してくる(マイテーマ・マイプロジェクト)「個性に応じた学び」視点高校入試大学就活る。導入のきっかけについて、担当の地域創生学部・浦崎太郎教授はこう語る。「高校の新学習指導要領の〝主体的・対話的で深い学び〞で育成しようとしている力が、私自身、具体的にイメージできていませんでした。それを教えてくれたのが、この入試で対象としているような学びを実践している学生たちの姿だったのです」 学生たちは「やらされ探究」ではなく、マイテーマを見つけられれば、偏差値的な優劣に関係なく、スイッチが入って自ら学びを深めていく。 高校時代に既にそうした経験を積んだ学生が大正大学にも在籍している。彼らをロールモデルとし、「こういう生徒が欲しくて、こういう学生に育てたい」と具体的に示した施策が「地域戦略人材育成入試」なのだ。「高校で高度な探究を経験した学生が、大学の学びを物足りないと感じることがないよう、大学は一人ひとりのマイテーマに合った学びを提供し、さらに深めて社会に出さなければなりません。それが大学の責務だと思います。大事なのは、教員の人間観・教育観のマイン 大正大学は、2022年度入試より「地域戦略人材育成入試」という特徴ある入試を総合型選抜の一環としてスタートさせた。高校時代に、実社会や実生活と自己の関わりから生まれた問いに基づいた課題を設定し、プロジェクトを立ち上げて実践した経験を評価する入試だ。つまり、自らの興味・関心(マイテーマ)で課題研究などの探究(マイプロジェクト)に取り組んできた生徒を対象としているのだ。評価するだけでなく、彼らの課題観や意欲を受け取り、大学でさらに深め、価値創造力をつけてその力を発揮できる社会へ送り出すという高大一貫教育をデザインしている。(図1)。 応募者は第一次審査の志望理由書で自分が探究してきた学びについて記述し、第二次審査では大学でどのような問いをもって学びを続け、社会にどのように貢献していきたいかをプレゼンテーションする。ハードルが高い入試である一方、4年間奨学金受給のチャンスがあドセット。先入観を捨て、『夢中になれるテーマに出合えれば誰でも主体的に学びだす』という視線で学生を見ることです」(浦崎教授) 浦崎教授が責務と語る教育の実現のため、同学では昨年度から、先進的な人材育成プログラムである「新時代の地域のあり方を構想する地域戦略人材育成事業」を始めた。これは文部科学省の令和2年度「知識集約型社会を支える人材育成事業」に採択された事業だ。「文部科学省からの評価ポイントは、大学の入口となる高校と、出口となる社会の双方との接続を見据えていたことでした」(神達知純副学長) 入口としての特徴が「チュートリアル教育」だ。専門のトレーニングを積んだチューターやSA(スチューデント・アシスタント)が一人ひとりの学生に付き、学びへの動機づけや学修支援者として伴走する。大学での学び方やデータサイエンス教育などの土台づくりも1・2年次で丁寧に行う。 出口教育では、社会の課題解決策を実践的に学修できるよう企業や地域との連携で行うインターンシップやフィ高校での探究を評価し、大学でさらに伸ばすための新入試大学が求める人材を明確化し高校が育てたい人物像と接続取材・文/長島佳子・大正大学(東京・私立)高校で育んだ探究力を大学でさらに深めて社会に送り出す、7年間を通した人材育成育てたい学生像でつなぐ222021 OCT. Vol.439
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