ールドワークが多数用意されている。 「重要視しているのは大学での学びの社会実装です。 本学の建学の理念は〝智慧と慈悲の実践〞。従来から地域や被災地での支援活動など実社会と連携した教育活動を行う文化がありました」(神達副学長) 同学がこの事業に着手した背景には、大学が3つのポリシーの策定を義務づけられた際、「高度に学びを達成している学生とは?」について固有の学生の姿から遡り、定性的、定量的にデータ化していった経験がある。そうした さらに大正大学では、高大連携の新たな形をつくろうとしている。それが「高大接続パートナーシッププロジェクト(S-U・P・P)」(図2)だ。複数の高校と大学が集まることで、互いの教育上の課題や知見を共有し合える場を提供しようとするものだ。 多様な生徒・学生の興味・関心にあった教育を実現させるためには、一つの大学、高校のリソースだけでは不足するこ学生を生み出す基盤としての大学のあり方を考え、事業プログラムを設計した。 「高校も今後スクールポリシーを明確化していくと思います。我々は、大学としてどんな学生を育てようとして、どんな教育をするかをこの事業によって明らかにしました。そのためにどんな生徒を求めているかという本学のAP(アドミッション・ポリシー)が、高校が育み送り出したい生徒像とつながっていくことが、本来の高大接続だと考えています」(高大接続担当・山内 洋教授)ともある。S-U・P・Pによって、教育理念を同じにする多数の高校、大学とネットワークを形成し、連携して生徒・学生を育成することを目標としている。 例えば高校には、複数のパートナー大学を大学群として捉えてもらい、単なる出前授業に留まらず、高大が共に授業や学びを設計するなど、学びを共創していくことを計画している。今年の7月に募集をスタートし、既に25校余りの高校とパートナーシップを内定しているという。 「『高大接続』を意味のあるつながりとするためには、お互いの教育的な〝顔〞を見せ合う必要があります。それが大学の3つのポリシーであり、高校のスクールポリシーなのです。ポリシーが共通していれば、経営母体を異にしても附属校のようにつながって、育てたい学生像を語り合える仲間になれると信じています」(山内教授) 目指すのは高大7年間を一貫した人材育成。経営的利害がない学校同士こそ、こうした協働の可能性があると同学は考えている。連携校とは、卒業生の大学での具体的な成長を確認してもらえる「学修成果報告会」なども予定しており、高校での学びや進路選択のその後の検証も可能となる。 「高大接続は公益です。自学のことだけ考えている時代ではなく、責務を果たしつつ、社会に必要とされる持続可能な大学であり続けたいと考えています」(山内教授)複数の高校・大学を巻き込む、高次の連携パートナーシップオンライン説明会参加者からの感想高校の視点● 真の意味での高大連携は必要だと思います。連携により高校生が成長し、引き続き大学でも成長していける、そのような正のスパイラルが回るようになればと思います。● デフレとコロナで地域の崩壊が進んだ現代において、地域における新たな価値を模索することが今後の日本の重要な課題だと思います。そのためにはS-U.P.Pのような一貫した地域人の育成が重要だと感じました。地域や共同体に積極的に関わろうとするパブリックマインドの育成を、学校教育にしっかりと位置づけなければならないと感じました。● 本日一緒に説明を聞かせていただいていた他の高校さんとのつながりも、大正大学様を軸に具体化されていったら面白くなるなと期待が膨らみました。● S-U.P.Pの考えは非常に重要でかつ今後の社会に求められることであるとも思った。この考えはぜひともより広く浸透してほしい。2021年7月2日に実施された「S-U.P.P」「地域戦略人材育成入試」の説明会参加者のアンケートコメント図2:高大接続パートナーシッププロジェクト(S-U.P.P)の未来イメージ大学高等学校高等学校高等学校高等学校大学大学大学大学大学高等学校高等学校高等学校高等学校高等学校大正大学高等学校高大接続パートナーS-U.P.Pこれからの社会に求められる資質・能力を共に育む教育支援の提供、協働での設計・運営教育理念に共感・賛同教育課題や改善策の共有、共創232021 OCT. Vol.439副学長 博士 (仏教学)仏教学部仏教学科神達知純教授理事長付特別補佐(高大接続担当) ・文学部日本文学科学科長山内 洋教授地域創生学部地域構想研究所 教育による地域創生チーム浦崎太郎教授高校生の「学びたい」を高校と大学がともに育てるとき生徒の“学び”と“成長”をつなぐ、高大連携事例
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