学年1年2年3年月45678910111212345678910111212456789活動単位グループワーク個別研究位置づけ基礎地域課題探究(転換点)SDGs(グローバル)課題探究グローカル課題研究グローカルファシリテーターの視野ローカルからグローバルへの視点移行⇒⇒グローバルからグローカルへの視点移行グローカルファシリテーターとしてのキャリア開発総合探究ガイダンス基礎スキル養成テーマ設定FW(フィールドワーク)Ⅰ中間発表・論文作成自己研究課題設定とリサーチFWⅡ・FW報告会研究・プロジェクト化台湾インタビュープロジェクト発表会振り返り国際会議グローカルアカデミアまとめ・進路研究教科・全体教科学習の基礎(意欲・関心向上)教科連携・SDGsへのアプローチ個別アドバイス個別アドバイス・コーディネートSDGs視点の授業●私の宝物・プレゼンテーション(1年)自分の宝物を紹介し、そこから発展したトピックについてスピーチする。最初はペアで発表し合い、徐々に人数を増やして実施し、発表の質を高めていく。●留学生へのオンラインインタビュー(1年)立命館アジア太平洋大学の留学生との会話を通じて、国際的な対話力や他国の人々や文化への興味を育成する。●英語ディベート活動(1・2年)ディベートの基本的なスキルから学んでいき、クラス内で対抗試合を行う。●One-minute Challenge(2年)提示されたテーマについて全員が1分間英語で話す活動。最初は準備時間を設けるが、徐々に即興で話す練習へ。●台湾とのビデオ共同制作プロジェクト(2年)台湾の高校生とグループになって一人のヒーローを紹介する英語の動画を制作。オンラインでライブ交流も実施。482021 OCT. Vol.439で終わらせない工夫もある。FW前のリサーチやFW後の総括などの節目には、数人グループでお互いの活動状況を共有して意見交換し、生徒同士で取組を深め合う。そのファシリテーター役は毎回、無作為に選出し、どの生徒もリーダーシップやファシリテーションについて学べるようにしている。 こうした個が立つ活動を通じて、ひと皮むける生徒も少なくない。例えば、コロナ禍における地域活性化のため、長野高校生が地域の魅力を知ることのできる観光パンフレットの制作に取り組んだ生徒は、「引っ込み思案で一人で取材に行くのはとても緊張した」というが、地域を歩き回って飲食店にアンケート調査を行い、割引券発行の交渉まで行った。一人で考え行動できたことで自信をつけ、「人として大きく成長できた」と研究レポートで感想を述べている。 NGPのもうひとつの柱である国際交流は、多様な教科の学びと絡めながら英語4技能とICTスキルを向上させるとともに、「グローバル社会のなかで生きる将来の自分像」を意識したキャリア発達を促すことを目標に掲げる、1・2学年の学校設定科目「英語キャリアプロジェクト」を中心に展開している(図3)。 1学年では身近なものを題材にスピーチを行うといった軽い内容から始め、のびのびと楽しみながら英語を使う体験を重ねる。そして留学生へのオンラインインタビューや、英語でのディベート活動へと徐々に難易度を上げていく。 2学年の主な活動は、当初、台湾研修旅行で現地高校生と交流することを軸に設計していた。しかし、20年度はコロナ禍で研修旅行が中止に。急きょ、台湾の高校生とビデオを共同制作するオンラインプロジェクトに切り替えて実施した。プロジェクトのテーマは「Who is our hero?」で、同校生と台湾の高校生がチームを組み、オンラインで打ち合わせや素材のやりとりをすることでお互いの価値観や世界観を共有し、一つの動画作品を作り出した。 同科目以外の国際交流においてもコロナ禍だからと諦めず、知恵を絞って交流の機会を設定している。1学年希望者対象の米国研修も渡航中止となったが、日本のアニメについて日本在住の留学生や海外の高校生・大学生と話し合うトークイベントを開催した。 生徒はこうした世界へのさまざまなアプローチを通じて、ローカルとグローバルの視点の融合や、多様な価値観をもつ人々と協働する重要性を学び、そのことは課題研究の充実にもつながっている。 「国際交流で生まれた海外の学生たちとの関係性は、イベント時だけで終わりません。その後も生徒たちはつながり続け、その後の課題研究や国際会議などで協力してもらうなど、グローカルな活動に取り組むうえでの大きな財産となっています」(松澤先生) NGPの課題研究と国際交流の集大成として、3学年では科目選択者が「SDGs地方創生国際会議グローカルアカデミア」の開催に取り組む。ニュージーランドの大学教授から議題をもらい、国籍も年齢10カ国の人々による国際会議を生徒が英語でファシリテーションコロナ禍でも国際交流を諦めず生徒の視野を広げる図2 課題研究の流れ図3 学校設定科目「英語キャリアプロジェクト」の活動例1年生の課題研究中間発表会。発表後はそのテーマについてディスカッションを行う。2年生はFWも個人で取り組む生徒が多数。FW先が県外の場合はオンラインも活用。
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