キャリアガイダンスVol.439_別冊
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4Vol.439 別冊特集従来の医療体制これからのチーム医療医師がトップとして全体を統括し、上下の関係ですべてのスタッフに指示をする関係。スタッフからの意見が通りにくい医師や看護師、薬剤師などが上下関係なくつながり、お互いの強みを活かして連携。各自の提案が通りやすい帰るのが当たり前になりつつあります。もちろん以前の過重労働がいいとは言いませんが、働く時間が短くなっているのですから、その分、漫然と働いているだけでは成長スピードが遅くなってしまう。だからこそ、与えられた仕事をするだけでなく、今の自分に何が必要かを自分で考え、主体的に学ぶことが重要になっているんです」(園田氏) 医師や看護師のキャリアも多様になっている。医師で言えば、臨床、研究、教育といった道のほか、厚生労働省などで公務員として働く道も、産業医として企業で働く道もある。また、民間の医療関連ビジネスが活発化するなか、民間企業でビジネスに参加する、あるいは自分で起業するという道もある。さらに臨床医といっても前述のようにどの診療科に進むかによって将来的なニーズは変わってくる。大病院に勤務するか、街の診療所で働くかによっても仕事の中身は大きく変わる。どの道を選ぶかは自分次第。自分に合った選択をするためには、それにつながる主体的な学びが必要となる。 「私も医師として働きながら、メドレーという民間企業にオンライン医療事典の医療監修として参加しています。医師や看護師の働き方の多様性はこれからも間違いなく広がっていきますから、医師になる、看護師になるというだけでなく、その先にどんな自分でありたいかも学生時代から意識してほしいですね」(園田氏) では、医師や看護師を目指す高校生は今からどんな準備ができるだろうか。園田氏はこうアドバイスする。 「高校時代に、見学でも看護体験でもいいので医療現場を自分の目で見てほしいですね。また、日々の生活のなかで、できるだけ身近な人をよく見て、何かに困っていないかなど、喜怒哀楽を感じ取ることも大切だと思いますね。こうした経験は自分が現場に出たときに、困っている患者さんへの対応力に活きてきます」 医療者への第一歩となる大学選びにあたっては、図4の3つをバランス良く養える大学かどうかがチェックポイントだ。例えば、チーム医療を意識した学部横断的な教育が行われているか、技術をトレーニングするための施設や環境は整っているか、実習は充実しているかなどを確認しておきたい。そのうえで、最先端の医療に携わりたいのか、地域医療に貢献したいのかなど、将来のキャリアや働き方も考え、自分に合ったカリキュラムや教育環境の大学を選ぶことが大切だ。医師中心の医療体制からチーム医療へ図3医師診療放射線技師薬剤師臨床検査技師患者・家族作業療法士理学療法士管理栄養士看護師看護師管理栄養士薬剤師臨床検査技師理学療法士医師医師に求められる力図4知識医療に関する技術は日々進歩しており、新しい医薬品も次々生まれている。働き始めてからも学び続ける力が何より大切となる技術重要なのは臨床現場で多くの実践を積み、技術を獲得すること。大学時代にどれだけ実習などを通して技術力を高めておくかもポイントコミュニケーション力患者に対しても、医療従事者間においても、相手の立場に立った思いやりのあるコミュニケーション力は必要不可欠だ学び続ける力がより重要になる!学生時代から磨いていくことができる!臨床経験を重ねることで養われる!

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