キャリアガイダンスVol.441
14/66

高校はどう社会と共に歩むか高校が社会と共に歩んでいこうとする際に突き当たるさまざまな課題を、各校ではどう乗り越えていけばよいでしょうか。本誌に届いた学校現場からの声に基づく5つのテーマについて、試行錯誤しながら取り組んできた4人の教員・コーディネーターと共に考えていきます。思います。(上門先生) 地域とのつながりの糸口を探すなら、町のカフェや公民館に足を運んでみてはいかがでしょうか。地域のイベントや勉強会のチラシが置かれているので、人材探しや交流のきっかけを見つける参考になると思います。(沼田さん) 私の最初の一歩は、キャリア教育のヒントを求めてインターネット検索し、ヒットした団体・個人に片っ端から話を聞きに行ったことです。そこから当時の勤務校のキャリア教育への協力を得るよ 〝学校として〞の前に、まず自分が社会とつながることを心掛けてきました。県外にも積極的に足を運んでさまざまな方と出会い、探究心をもって話をしています。そこで自分が吸収したことは生徒に伝え、直接生徒に話を聞かせたい方は学校に招く場合も。先方から協働プロジェクトに声を掛けていただくケースも出てきました。 また、今後の案として、学校のホームページを通じて、地域の方に探究活動のパートナーを募集してはどうかと考えています。教員が諦めず努力することで、きっと共感していただける方が出てくると信じて行動していきたいとうになり、2017年、地域の方と一緒に、「地域の子どもたちを未来の力にしていく」を掲げる有志団体「TEAM NETSUGEN(ネツゲン)」を設立。地域のコミュニティやイベントに積極的に参加し、自分がなぜこのような活動をしているかを話し続けたところ、今ではメンバーが150人近くに。経営者や専門家、行政の職員など多彩な人材がいるので、SNSのグループで「〇〇に詳しい方いませんか」などと呼びかけると、たいてい何かしらの情報が返ってきます。本校生徒のプロジェクト活動や職場体験などを推進していく大きな力になっています。(松本先生)まず自分が社会とつながる。ホームページでの募集も手町のカフェや公民館で交流のきっかけを探す思いを共にする地域の方々とネットワークを形成▼地域と学校をつなぐコーディネーターに協力してもらい、生徒が参加できるイベントの情報収集や、地域協働を志す他校の生徒・先生方との関係構築もできた。(教頭)▼在学中に校外での活動を経験した卒業生が、探究に関わるようになった。在校生にとって〝レジェンド〞の経験の共有が、活動の活力になっている。(教務主任)▼初めは他県の成功事例だけが目に入り「どうしてうちの県(学校)は…」と思ったことも。しかし、実際に進めてみると協力してもらえる地域の方や団体がたくさんいて、人材のネットワークが徐々に広がっている。自分がオープンになったことで見えてきたのかもしれない。(教頭)取材・文/藤崎雅子学校外の人と、どうやってつながる?● 連携を行いたいが、その進め方がよくわからない。(探究担当)● コロナ禍で地域に関わる機会が減少。地域人材の確保が 困難に。(教頭)● 魅力的な大人との出会いが少ない。(教頭)142022 FEB. Vol.441

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る