登校の状況、卒業後の自立の困難さなども率直に伝えたうえで、「支援しやすい高校時代のうちに彼らを地域の力になるよう育てられないか」「学校と地域が一緒に彼らの居場所づくりに取り組んでいけないか」と問いかけるようにしています。地域ぐるみで子どもたちを未来の地域の力とすることで、面白い地域になっていくイメージの共有を心掛けています。(松本先生) 例えば職業人講話の場合、ねらいが「仕事の面白さを伝える」か「職業の選択肢を広げる」かによって生徒に話す内容は変わります。連携先に学校側の目標を伝えることは非常に大切です。コーディネーターとして私が意識しなげられたらと思うからです。 しかしながら、社会との協働が進んでも、生徒の日常を支えていくのはやはり先生方です。外部講師にお任せした講話や活動に、ぜひ先生方も参加し、生徒の反応を見ていただければと思います。(沼田さん) 教員には人事異動がつきもの。私が離れても本校への支援が続くよう、有志団体ネツゲンを地域主導の活動にすることを目下の目標とし、メンバーの方に前面に出ていただいています。 とはいえ、何でもかんでも学校や子どもに関連した取組をしなければならないとすると、メンバーの皆さんの まず学校の目標が、教員全員の対話などによって、納得して言語化されたものかが大切。そうなっていれば、外部に対しても説得力をもって伝えることができ、軸がぶれずに協働していけるのではないでしょうか。そのうえで、学校ホームページには、目標の掲載はもちろん、日々の活動報告も行い、学校が目指す方向性の具体的な発信も重要です。本校でも、写真を前面に出すなど、思わず読みたくなる情報発信の方法を模索しています。(丸橋先生) 地域の方には、定時制の中退や不 一足飛びではなく、最初は学校外の方に対するスポットでの関わりの〝お願い〞から始め、徐々に〝共に育てる〞対等な関係性に発展させていくのが自然な流れ。ただ、そのなかで先生方から「一緒に取り組んでいこう」というメッセージが発信されるかどうかは、パートナーシップに大きく影響すると思います。私は外部講師として学校に伺ったとき、先生方のもとに行き、「生徒の様子はどうでしたか?」「次はどんな指導につなげる予定ですか?」とコミュニケーションすることを心掛けています。私の講話を共通の話題として、先生方と意見交換し、お互いの理解につ学校のねらいや目標をどう社会に伝える?協働を持続・発展させていくポイントは?● 探究という長期的な学習に、地域の方々に伴走していただきたいが、単発イベントではないことを理解してもらうことが難しい。(探究担当)●社会の方は、意外と学校の現状や課題をよく知らない。 (探究担当)● 生徒の訪問先からのクレームに過敏に反応してしまう。 (探究担当)● 外部の方に対し「教育には協力して当然」という意識の 教員もいる。(探究担当)● 外部講師の講演会を、教員が聞いていない。(探究担当)共に地域の未来を創っていくイメージを共有持続可能な協働体制はゆるやかな関係性から全教員で話し合った目標や取組の様子をWeb発信目指したい生徒の姿を具体的に伝える連携先の方に先生方がどう関わるかも大切162022 FEB. Vol.441
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