キャリアガイダンスVol.441
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が「難しい」と感じているが、その要因は「社会がどのようになっていくのか予測がつかないから」53%が前回調査から+9ポイント増加し、前回トップだった「入試制度をはじめ最新の進路情報を知らないから」51%(前回比▲4ポイも自分で判断することを求める保護者の言葉に対して、「自分で決めたことは最後までやり抜きたい」など前向きな声が多い反面、「何をしたいのかがまだ定まってないので逆に困る」という戸惑いもある。人生経験が浅く、迷いや悩みの多い高校生に対しては、「好きなことと進路選択をどうつなげていくか」というアドバイスが重要になってくる。保護者の期待や信頼がうまく子どもに伝わり、適切な進路選択に結びつくよう高校と保護者との連携が求められる。ント)を逆転した(図3)。コロナ禍による社会変化の加速に加え、前回調査時には未実施だった「大学入学共通テスト」が行われ、入学者選抜改革への理解が進んだことなども影響しているのかもしれない。 コロナ禍を受け家庭の経済面での進路選択影響が懸念されていたが、「家庭の経済的な理由で、子どもの進路の選 保護者に子どもの進路選択へのアドバイスの難しさの程度をたずねたところ、前回から引き続き約7割の保護者どう感じているのだろうか。図表は割愛するが、高校生の「進路を考える上で保護者へやめてほしいこと」では、「『好きなことをしなさい』だけで終わらないでほしい」が2019年から微増(+2ポイント)。フリーコメント1から社会がどのようになっていくのか予測がつかないから入試制度をはじめ最新の進路情報を知らないから子どもが何を考えているかよくわからないから家庭の経済的な理由で、子どもの進路の選択肢を狭めざるを得ないから子どもにアドバイスできる程、自分の生き方・考え方に自信がないから子どもの人生を決めてしまうようなアドバイスをするのは気が引けるから子どもがアドバイスを望んでいないから高校や先生からの情報提供が十分ではないから*1子どもと対立してしまいそうで怖いから子どもの相談に乗ったり、アドバイスするような時間の余裕がないから学校の進路指導の方針と考えが合わないことがあるからその他2019年全体(n=1286)2021年全体(n=1070)53.151.122.521.621.520.711.710.05.03.72.35.844.054.720.824.022.619.110.65.84.15.33.26.92040600(%)※「2021年全体」の降順ソート  *1) 2019年選択肢は「教師からの情報提供が足りないなど、高校が頼りにならないから」【保護者】 進路選択についてアドバイスを難しいと感じる要因 (アドバイスが「難しい」と感じる回答者/複数回答)「予測のつかない社会」がアドバイス困難要因の1位に「経済的事情」の困難理由は低下各種支援制度の認知増も一因か2019年全体2021年全体社会変化や行動制限に悩みつつ積極的に関わろうとする保護者を、高校生はポジティブに受け止め●自分の将来は自分で責任を持たないといけないな、といわれるたびに感じる[島根県/男子/大学]●自分で決めたことは最後までやり抜きたい[沖縄県/女子/大学]●自分の進みたい道に向かって努力していこうと感じる[三重県/女子/大学]●自分を認めてくれているのだと思う[島根県/男子/大学]●私の夢を応援してくれていて心強い[三重県/女子/大学]●自分は将来何をしたいのかがまだ定まってないので逆に困る。アドバイスが欲しい[新潟県/男子/大学]●自由にやっていいと言われるとよく分からない[新潟県/女子/専門学校]自分の好きなことをしなさい・やりたいことをやりなさい●自分のことは自分で決めなければならないという気持ちになって気が引き締まる[山形県/女子/大学]●任せてくれていると感じるが、もう少し具体的なアドバイスが欲しい[茨城県/女子/大学]●固定概念を押しつけたりされないからとても嬉しく思うし、それと同時に真剣にならないとなと思う[島根県/男子/大学]●何かプレッシャーのようなものを感じる[新潟県/男子/大学]●応援してくれてない感じがして悲しくなる[新潟県/女子/専門学校]自分でよく考えなさい●自分の将来を自分で選択できるありがたさと不安を感じる[茨城県/女子/大学]●自分の人生は自分で決めるべきだと実感する[北海道/男子/就職]自分で決めなさい保護者の言葉をどう感じるか ※末尾カッコ内の表記は[都道府県/性別/希望進路]422022 FEB. Vol.441

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