キャリアガイダンスVol.441
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十分に伝わっていない可能性がある。 ICT活用で良かった点を複数回答で選んでもらったところ(表1)、上位は高校生、保護者共に同じで、1位「オンラインで授業を受けることができた」が5割、2位「学校からの連絡がメールなどのオンラインになった」が4割前後、3位「オンラインで宿題などの自宅学習が進められた」が3割弱の支持を集めた。休校中でも学びやコミュニケーションを止めることなく過ごすことができた喜びが実感されているのではないだろうか。 ここからは、コロナ禍をきっかけに学校での導入が一気に進んだICTについて見ていきたい。「授業、ホームルーム、探究などの教育活動にICTを活用しているか」たずねたところ(図7)、高校生では75%、保護者では56%が「活用している」と回答、同年2月に行った教員調査(97%※参考値)と比較すると差があり、高校におけるICT活用の意図や実績が高校生と保護者にはオンラインでの「授業」「連絡」「自宅学習」が3大メリット活用の実感はまだ道半ばだが、今後期待する効果のトップは高校生・保護者共に「学習の個別最適化」者に対しても生徒に対しても重要になってくる。 なお、保護者が進路選択に関わりたい理由の1位は「子どもと一緒に考えたいから」で、過去最高の72%であった(図表は割愛)。前段同様、親子関係の緊密さが感じられるが、そのような状況を高校生側はどう受け止めているのだろうか。「進路選択に関する保護者の態度」(前ページ図6)では、「干渉しすぎる・やや干渉する」と「やや無関心・無関心すぎる」がいずれも低下し、「ちょうどいい」と答えた高校生が7割を超えて過去最高となった。 コロナ禍で共に過ごす時間が増えるなど、これまでとは異なる状況のなかで親子のコミュニケーションが質・量ともに変化。進路についてもお互いの理解が進み、それが高校生にもポジティブに受け入れられている様子がうかがえる。オンラインによる双方向型授業・学習支援宿題・課題等をオンラインで配布動画配信によるオンデマンド型授業対面とオンラインのハイブリッド型授業地域社会や海外との連携、協力の強化他の高校との連携・協力の強化ビデオ会議システムを活用したホームルームの実施学校と家庭とのコミュニケーションその他まだ活用のイメージがついていない(n=1529)(n=1815)38.828.727.715.510.19.99.57.51.123.537.823.218.828.514.19.08.217.21.024.2302010040(%)※「高校生全体」の降順ソート【高校生・保護者】 今後、学校や自宅でどのようにICTを活用していきたいか (全体/複数回答)高校生保護者参考) 教員【高校生・保護者】 高校の授業、ホームルーム、探究などの教育活動でのICTの活用状況 (全体/単一回答)(%)組織的に活用・計活用・計25.851.226.914.53.731.031.512.033.626.215.123.41.859.774.852.765.70.356.496.7※「教員」は2021年2月実施「高校教育改革に関する調査2021」(参考値)学校全体で組織的に活用を推進している学年や課程・学科・コース・教科単位で活用している教員個人で活用している使い始めていない(活用はまだこれから)無回答組織的に活用・計活用・計 (n=1815)(n=1529)(n=1156)進路選択への保護者の関わりは「ちょうどいい」が過去最高に3.0442022 FEB. Vol.441

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