「オンラインによる双方向型授業・学習支援」であった。高校生は2位「宿題・課題等をオンラインで配布」、3位「動画配信によるオンデマンド型授業」。保護者は2位「対面とオンラインのハイブリッド型授業」、3位「宿題・課題等をオンラインで配布」。保護者は「学校と家庭とのコミュニケーション」も高い。どちらも「授業」「宿題」「コミュニケーション」などに幅広い期待が集まっている。その一方「まだ活用のイメージがついていない」が高校生、保護者共に24%と、ICT技術でできることをより身近に感じてもらうことが必要な層が4人に1人の割合で存在していることもわかった。 次にICT活用によって期待できる効果や変化を挙げてもらったところ(次ページ図9)、保護者・高校生共に1位は「一人ひとりが自分に合った方法やスピードで学習できる」で、学習の個別最適化への期待が最も高かった(高校生45%、保護者34%)。 以下、高校生は2位の「学ぶことへの興味がわき、学習へのモチベーションが上がる」から5位の「多様なリソース(情報や人)にアクセスできることで、学びが深まる」までが2割台の僅差で続き、さまざまな期待がある一方、「特にない」が18%と、ICTを活用することによる変化のイメージがわかない高校生も一定層いる。 逆にICT活用で困った点や課題については(表2)、高校生ではデジタルネイティブ世代らしく「特にない」が最も多く24%だった。挙がった課題の1位は「学校や教員によってICTの活用度に差がある」23%、僅差で「紙の教材のほうが勉強がしやすい」「スマホしかなく、画面が小さくて文字が見えにくい」までが20%以上で続く。 保護者が挙げた課題のトップは「勉強しているのか、遊んでいるのかがわからない」31%、以下「学校や教員によってICTの活用度に差がある」21%、「SNSなどの活用により様々な危険性がある」15%、「健康面で良くない影響がある」14%と続く。「特にない」は29%であった。 調査結果からは「スマホしかない」といったデバイスの問題は残るものの、ハード面より使用方法への課題感が多く挙がっている。また高校生、保護者共に上位の「学校や教員によってICTの活用度に差がある」は高校から改善を図ることが可能な課題であり、優先順位を上げて着手することが望まれる。 「今後、学校や自宅でどのようにICT活用していきたいか」活用意向を見ると(図8)、高校生、保護者共に1位は【高校生・保護者】 高校でのICT活用について良かったと思う点・上位8項目 (「学校でICTを活用している」回答者/複数回答)【高校生・保護者】 高校でのICT活用について困った点・問題だと思った点・上位8項目 (「学校でICTを活用している」回答者/複数回答)「学校や教員の活用度の差」が保護者、高校生共に課題の上位に期待する効果のトップは高校生・保護者共に「学習の個別最適化」「授業」「宿題」「コミュニケーション」幅広いICT活用を期待1位2位3位4位5位6位7位8位1位2位3位4位5位6位7位8位50.038.128.121.613.712.27.97.610.352.341.926.719.811.910.18.13.710.4オンラインで授業を受けることができた学校からの連絡がメールなどのオンラインになったオンラインで宿題などの自宅学習が進められたクラスや部活動の連絡などがオンラインになった休校中も先生や友達とコミュニケーションがとれた探究活動など、自身の興味ある学びを深めることができたWebサイト・アプリやオンラインオープンキャンパスなどで進路検討ができたオンラインを通して活動の幅が広がった特にないオンラインで授業を受けることができた学校から保護者への連絡がメールなどオンラインになったオンラインで宿題などの自宅学習が進められた休校中も先生や友達とコミュニケーションがとれた子どものICTスキルが上がった(オンライン会議や動画編集など)Webサイト・アプリやオンラインオープンキャンパスなどで進路検討ができた探究活動など、子どもが興味ある学びを深められたオンラインを通して子どもの活動の幅が広がった特にない順位順位%%高校生 (n=1358)保護者(n=863)1位2位3位4位5位6位7位8位1位2位3位4位5位6位7位8位22.922.220.314.213.29.39.28.923.830.920.914.913.98.66.55.64.94.928.7学校や教員によってICTの活用度に差がある紙の教材のほうが勉強がしやすいスマホしかなく、画面が小さくて文字が見えにくいつい学習以外の用途に利用してしまうパソコンやアプリなど、使い方が分かりにくいアクセス制限があり使えないサービスやWebサイトがある健康面で良くない影響がある自宅内で集中して学習できるスペースがない特にない勉強しているのか、遊んでいるのかがわからない学校や教員によってICTの活用度に差があるSNSなどの活用により様々な危険性がある健康面で良くない影響がある家庭の負担でICT端末を準備しなければならない自宅内で集中して学習できるスペースがない学校の端末を持ち帰ることができない通信量が増加し、通信料金が高くなったり低速化した学校から保護者への連絡がメールなどオンラインになった特にない順位順位%%高校生 (n=1358)保護者(n=863)452022 FEB. Vol.441
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