キャリアガイダンスVol.441
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608040200(%)020406080(%)までにない評価軸への変化に不安が残るものの、大きな方向性は受け入れられており、また高大連携の強化やICTの活用、高校教育改革へは高い期待が寄せられている。特に高校教育改革の柱である「主体的・対話的で深い学び」と「探究学習」は、2019年の調査でも期待の兆しが表れていたが、今回は保護者にその取組が伝わり、さらに期待が高まっていることがうかがえる結果となった。 今回の調査結果からは、①適度な距離感で良い関係を築いている親子像②子どもたちが〝生きる力〞を身につけ、不確実な未来に向けて自分軸でしっかり歩んでいけることを中長期的な視点で望む保護者③そのための能力育成に向けてICT活用や授業改善に取り組む高校教育への高校生・保護者双方の期待、が感じられる。 未曾有のコロナ禍下にもかかわらず前向きな力強さを感じさせるデータが多かったが、その象徴が図14だ。2021年の高校生は未来社会に対して8%が「とても好ましい」、50%が「まあまあ好ましい」を選び、「好ましい・計」は前回から+7ポイント増え過去最高になった。 もちろん「好ましくない・計」も4割を占め、フリーコメントではコロナ禍や気候変動、政治不信、格差社会や高齢化社会による負担増などを憂う声も散見されたが、「好ましい」と思う高校生の声は、〝平和〞、〝平等〞、〝自由〞、〝便利〞、〝個性〞、〝多様性〞、〝豊富な選択肢〞〝チャレンジ〞などの言葉が印象的であった。制約の少ない平和な社会で、伸び伸びと自分軸で生きていけることを願う前向きな未来展望が感じられる。そんな高校生の希望に満ちた将来の実現のために「一人ひとりが自分らしく生きる力」を育成する高校教育の重要性はますます高まっている。2017年34%↓2019年42%↓今回45%と上昇傾向にある(図表では2017年数値は割愛)。 授業改善や本格化する探究学習などは、将来社会で必要とされる能力を身につけられるものとして、保護者の期待が着実に高まっているようだ。* 後半のパートでは近年のICT活用を含む教育改革への受け止めについて見てきた。入学者選抜の改革にはこれ※高校生「2021年全体」の降順ソート  ※*1=2019年は選択肢が異なるためデータは省略(「道徳や宗教などの時間」として聴取)【高校生・保護者】 学校生活において社会で 必要とされる能力を身につけるために有効な場 (全体/複数回答)【高校生】 未来展望:これからの社会は好ましいか (全体/単一回答)(%)好ましい・計好ましくない・計2021年全体(n=1815)38.557.97.850.132.95.63.62019年全体(n=1997)44.451.46.345.138.85.74.22017年全体(n=1987)44.851.54.547.039.05.83.72015年全体(n=1887)44.348.14.243.938.26.17.62013年全体(n=2043)54.841.93.638.348.56.33.42021年全体 (n=1529) 2019年全体 (n=1759)2021年全体 (n=1815) 2019年全体 (n=1997)●いろんな個性が認められ始めているから[島根県/女子/専門学校]●将来の選択肢が豊富[沖縄県/女子/大学]●なれるなれないではなく、チャンスが平等にあるから[東京都/男子/大学]●科学の力で世の中がもっと便利になるから[沖縄県/女子/大学]●いろいろなことにチャレンジしやすい社会だと思う[島根県/女子/大学]2021年全体2019年全体とても好ましい社会だまあまあ好ましい社会だあまり好ましい社会ではない非常に好ましくない社会だ無回答好ましい・計好ましくない・計「好ましい」と思う理由 部・クラブ活動の時間64.767.856.564.4教科の時間(生徒が中心となって主体的に学ぶ授業)46.953.359.157.1文化祭や体育祭などの学校行事51.355.956.658.2校外活動(地域行事・ボランティア・インターンシップなど)38.646.761.362.3教科の時間(先生による一斉講義型の授業)27.932.125.025.5生徒会活動19.819.420.920.4総合的な探究(学習)の時間34.032.244.942.0道徳などの時間(*1)20.123.2留学15.221.615.219.0修学旅行や遠足37.240.626.025.0ロングホームルーム/ショートホームルーム10.912.28.68.6長期休業(春・夏・冬休みなど)の課題17.618.98.610.4高校生が未来を信じて前向きな一歩を踏み出すために※末尾カッコ内の表記は[都道府県/性別/希望進路]492022 FEB. Vol.441

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