キャリアガイダンスVol.441
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『江戸とアバター ─私たちの内なるダイバーシティ』池上英子・田中優子(朝日新書)自分の「アバター(分身)」を切り替えながら、豊かな創造性に生きた江戸の人々。絢爛豪華な文化が花開いた江戸社会の秘密は「内なるダイバーシティ」にあった。NYから日本社会を見る池上英子さんと江戸文化研究の泰斗・田中優子さんが、仮想空間と江戸社会をモデルに「たくさんの私」の創造力を解き明かす。十人十色の才能に目覚めよう。『はたらく細胞』清水 茜(講談社)「私」の体の中では、60兆個の細胞が休まず仕事をしている。主人公の赤血球が、さまざまな免疫細胞たちと協力しながら、体内に侵入するウイルスや細菌との戦いを繰り広げる。アニメにもなった大人気の「細胞擬人化漫画」。意識にのぼらない細胞レベルの「たくさんの私」が、いまこの瞬間も自分をつくってくれているのだ。時には細胞の仕事を思うといい。『文体練習』レーモン・クノー/朝比奈弘治(訳)(朝日出版社)あるひとつの他愛もない出来事が、99の文体で変幻自在に書き分けられる。『地下鉄のザジ』で知られるフランスの作家レーモン・クノーの編集力が唸りをあげる一冊だ。見る角度や描写の仕方で同じシーンがまったく違う物語になることを、言葉の力が教えてくれる。どう見るかは自分次第。「たくさんの私」は、「たくさんの世界」に囲まれているのだ。※ダウンロードサイト:リクルート進学総研>> 発行メディアのご紹介>> キャリアガイダンス(Vol.441)542022 FEB. Vol.441

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