起業イントレプレナー(社内起業者)活動社外活動 来た話は断らずやってみる +5.5+15.7+10.5 わからないときはすぐに質問する+11.0+10.3+5.4 他分野・他部門と積極的に関わる+6.5+12.1+7.6 飲み会や懇親会等の幹事や調整役を引き受ける+7.0+17.3+10.2 先輩のしごとのしかたを見る・真似る+0.9+17.6+7.7 やりたいことはみんなに話してみる+7.4+9.6+4.8 初対面の人とも積極的に会う+19.0+14.6+11.7 友達に誘われたイベント等に行く+6.9+17.2+8.7 自分の意見はしっかり会社に伝える+16.1+12.7+9.5 LINEやメッセンジャーで目的に合わせたグループを作る+9.1+12.2+4.5 小さな行動大きな行動3Vol.441 別冊特集次の自分のキャリアづくりを考えることに役立つ仕事上の悩みを解決することに役立つ様々なキャリアを知ることが純粋に好きであり、楽しい自分の現在位置を知るために役立つ■ 小さな行動が増加した個人 ■ それ以外の個人 調査対象は平均年齢27.4歳の社会人。入職から3年までのファーストキャリア期の情報量、行動量を尋ね、図1のようにグループ分けし、それらが現在のキャリア自律やキャリアの満足度にどのように影響しているかを調べた。 なお、4つのグループのうち最も多かったのは行動量も情報量も少ないグループ3(42.3%)。行動量も情報量も多いグループ1は22.4%だった。 この調査におけるポイントの一つが「行動」の定義だ。古屋氏は、「行動」を「大きな行動」と「小さな行動」に分類する。 「『大きな行動』には三つあります。一つ目が新しい提案や業務改善などの企画行動、二つ目が自主勉強会や上司・同僚からの学びなどの社内における学習行動、三つ目が社外での学びや新しいコミュニティへの参加などの越境行動です。一方、本調査では『小さな行動』というのも別にカテゴライズしています。大きな行動のように人に自慢できたり、組織に表彰されたりするほどではない日々の小さなアクションです。例えば、やりたいことはみんなに話してみる、初対面の人とも積極的に会う、LINEなどで積極的にグループを作るといったことですね。また、友達にイベントなどに誘われたら乗ってみるということも含まれます。ここが面白いところで、きっかけとなる小さな行動は決して“自律”でなくてもいいんです。他人に率いられる“他率”であっても、行動することが結果として気づきや変化につながることは往々にしてありますから」 行動の頻度や量を調べるときは、「大きな行動」もさることながら、この「小さな行動」が重要な要素となるという。 このような条件で調査した結果、グループ1~4には、「キャリアの自律性」「ワークエンゲージメント(仕事に対してポジティブに取り組めている心理状態)」「仕事への満足感」という3つの点で有意な違いが見られたという。 これら3点のスコアが最も高かったのが、行動量も情報量も多いグループ1。最も低かったのが、行動量も情報量も少ないグループ3だった。ここまでは想定される範囲内の結果といえるが、注目されるのは、行動量が少なく情報量が多いグループ2より、行動量が多く情報量が少ないグループ4のほうがスコアが高いということだ。 「その理由は“情報の活用”にあるのだと思います。WebサイトやSNSで検索するだけで情報量ばかりを増やしても結局何も身につかないし、むしろ“やらない理由”をいくつもつくってしまうことになってしまいます。一方で、小さなことでもいいから、情報として得たことを自分で試す人、あるいは行動から情報を得る人は、情報が経験として身につきますし、それを積み重ねることで情報の質や真贋を見極める目も養われます。つまり、情報を活用できているということですね。グループ4はもともと出現率が低いのですが、行動量によって少ない情報を有効に活かせている点で、情報量だけでそれを活かせていないグループ2を上回ったと考えられます」 このように日々の「小さな行動」の積み重ねは、結果として情報の活用に大きな影響を及ぼす。それを示したのが図2だ。小さな行動が増加した人と、それ以外の人を分けて調べたところ、小さな行動が増加した人は、情報を「次の自分のキャリアづくりを考えること」や「仕事上の悩みの解決すること」などに役立てることができるようになっていることがわかる。小さな行動をした個人は、情報を知る意味が変化する図2起業した人などは、過去にどんな「小さな行動」をしていたか図3※「他者のキャリアづくりについて知ることはあなたにとってどんな意味がありましたか」の設問に対する回答について、初期3年間→現在にて上位の回答に変化した者(あてはまらない→あてはまるなど)の割合。 情報を知る意味が高まった割合※
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