ーがつきます。講座は土曜日の開講で、1年次の夏休み明けからスタートし、3年次の春まで続きます。その後、GLCで学んだことを3年次の夏休み以降の留学につなげていく学生が多いですね」 単に知識を学ぶプログラムではなく、図2に示した5つのコミットメントを教育目標に掲げている。 「一般論として、学部段階のグローバル教育はどうしても英語力の強化に偏重しがちです。しかし、英語はあくまでも手段に過ぎません。大事なのは英語を使って何をするかです。社会や世界にどう貢献するのかを考え、行動するための力を養うのがGLCの目的の一つです。ただし講座を受講するだけで人の行動が変容することはありません。講座はあくまでインプットや触発の場であり、講座で学んだことを日々の授業や生活、さまざまな活動に活かしていくことが何より大切だと考えています」(羽賀文湖さん) プログラムは図3に示した4つの軸で展開される。一連のプログラムを通して、GLCの学生は、自分と異なる考え方や価値観をもつ人たちと協働してものごとを進める力を磨くことができる。また、現実の社会課題解決のために不可欠である“当事者意識”が養われ、それによって留学や卒業後の進路の目標が明確になる学生も多いという。 「学部の単位とは関係のない課外講座だからこそ、本当に学びたい意欲がある学生が集まるという点も大きいですね。積極的な同級生に触発されて、『自分も負けていられない』という気持ちが生まれますから。決してGLCの学生全員が最初から大胆な行動ができる学生ばかりということではなく、刺激を受けながら、行動に必要な知識やスキルを学ぶなかで、行動できる範囲が段階的に広がっていく、そんな成長曲線を描く学生が多いですね」(羽賀文湖さん) もう一つ、行動力を養う取組として注目されるのが、これもキャリアセンターが主催する学内ビジネスコンテスト「SHINE」だ。 対象は1、2年生で、開催時期は春休み。35~40人が参加し、6日間にわたり、朝から晩までのスケジュールで、テーマに沿ったビジネスプランをグループワークで練り上げていく。テーマが示されるのは初日で、期間中には分析力やプロジェクトマネジメントなどに関する講座も受講しつつ、最終日には卒業生である社会人を審査員に迎え、最終報告会を行う。 「実現性、論理性、独創性のあるビジネスプランが求められますから、社会経験があるわけではない1、2年生にとっては大きな挑戦です。グループワークでは真剣に取り組む分、衝突もあります。しかし、スタッフが企画内容やメンタル面に関して丁寧にサポートを行い、期間中には何度も振り返りを行うので、みんな自身の課題と向き合い、乗り越えながら成長していきます。自分たちの力で価値を生み出す経験を通して、6日間で大きく意識が変わり、留学やゼミでの取組など次の挑戦に向けた自信を身につける学生が多いです」(キャリアセンター/坂内華菜さん) 行動した経験が次の行動につながる。このサイクルを生み出す教育環境こそが社会に通用する力を育てる。GLCのカリキュラムを構成する4つの軸グローバル・リーダー・カレッジ(GLC)の5つのコミットメント図3図2キャリアセンターキャリア・就職支援課副主任坂ばんない内華菜さんSHINEの最終報告会の様子。「本質」を見抜く力を養う高い志を持つ他者に貢献するという意識を忘れないすべてのタスクに、プロフェッショナリズムをもって取り組む常に「自分がGlobal Leaderだったら」と考えるロジカルシンキングやディスカッション、プレゼンテーションなどの授業を通して考える力や伝える力を養う。講師やメンターのサポートを受けて自分自身の目標設定に取り組むほか、GLC生同士のつながりを深めていく。グローバルアナリシスなどの授業を通して、幅広い教養、国際観、歴史観などを学ぶとともに、留学に備えたメンタリングも行う。社会で実践できるリーダーシップを養い、社会課題解決立案コンテスト「Revopro」などのPBLを通して理論と実践を融合させる。6Vol.441 別冊特集
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