キャリアガイダンスVol.442
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【理事長プロフィール】いせ・ようじ●1944年生まれ。明治大学卒業。副理事長を経て2004年より現職。【専門学校プロフィール】1970年「通訳ガイド養成所」として創立。1985年校名を「日本外国語専門学校」と改称。総合英語科、英語通訳翻訳科、英語本科、アジア・ヨーロッパ言語科、国際公務員科、国際ビジネス科、国際関係学科、国際エアライン科、国際ホテル科、国際観光科、海外留学科の11学科36専攻を設置。高い語学力を武器に、グローバル企業やエアラインなど多彩な就職と、国内外の有名大学への進学・編入学を実現。ICTも活用しながら、多様な学生それぞれの学びに応じた時間と場を提供したい̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/松本朋之学校法人文際学園日本外国語専門学校理事長伊勢洋治日本における通訳・通訳ガイド養成機関の草分けとして1970年に創立した本校は、2020年に創立50周年を迎え、11学科36専攻を擁する高等教育機関に成長しました。 思い出深いのは、20数年前に高田馬場新館を建てたとき。教室に外光がたっぷり入り、周囲のざわめきも感じられる開放的な空間にしたのは、学生の発想が豊かになり、発言も自由にできるようにしたかったから。どうすれば学ぶ環境としてふさわしくなるか、建築関係者とも毎日語り合ったものです。その後、目白新館や早稲田新館など多くの校舎を建てましたが、そうした考えは今も変わりません。 社会の変化にあわせ、教育の中身もの教育理念です。高い専門性を身につけることは当然として、それ以上に徹底しているのが人間教育です。ビジネスマナーなどの必修科目だけではなく、日々の挨拶や服装、言葉遣いに対する指導もそう。そのためには教職員自身が模範にならなければいけません。本校の教職員は喜怒哀楽豊かに学生と接します。それは教える技術以前に、「心」をもっているからです。学生もそれをわかってくれていて、共に涙を流している姿も見かけます。大切なのは互いを尊重すること。それなくして授業など成り立ちませんし、それは社会でも同じです。就職先として、外務省をはじめ錚々たる企業・組織の名が並びますが、能力のみならず、根っ子にある真面目さや人間性が評価されてのことだと確信しています。今、苦戦している観光業界や航空業界も必ず盛り返すはず。そのとき、活躍する卒業生の姿が目に浮かびます。 本校には、外国人留学生もいれば、大学編入、海外進学、国際就職を目指す学生や、社会人あるいは大学に籍を置きながら学ぶ学生もいます。学び方は人それぞれ。今後、ICTも活用しながら、それぞれにとって意味のある時間と場を提供したいと考えます。焦らず慌てず足元を見つつ、改革、創造、躍進、進化を続けていくつもりです。進化させてきました。正規留学、交換留学やオンライン留学など多様なスタイルの海外留学をはじめとした国際教育に加え、近年、強化しているのがICT教育です。タブレット端末を全員に支給し、デジタルコミュニケーション力を磨くべくICTスキル・リテラシー教育に力を入れています。昨今、文理融合の重要性が指摘されていますが、本校のような文科系中心の学校でできることは限られています。けれど考えてみればスマホ世代にとってICTは身近な存在。そうした発想の下で文理融合にアプローチすることも可能では、と考えています。 このような教育のベースにあるのが、「全人教育の推進」「考える力の養成」「独立不ふ羈きの精神の涵かんよう養」という本校552022 APR. Vol.442

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