キャリアガイダンスVol.442_別冊
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化した領域を設けているのが大きな特色で、アスリートパフォーマンス領域、ウエルネススポーツ領域、環境・スポーツ教育領域の3領域でスポーツ指導者、トレーナー関連資格、健康運動指導士、レクリエーション・インストラクター、中学校・高等学校教諭一種免許状(保健体育)、キャンプインストラクターなどの資格も目指すことができる。 また、“スポーツリベラルアーツ”を象徴する共通科目(図3)について沼澤教授はこう説明する。 「中心に置いているのはスポーツマンシップ論とスポーツリーダーシップ論の2科目です。アスリートが競技を通して養うマインドやリーダーシップは社会の幅広い分野に応用できるもの。まずはこれをしっかりと学んでもらいます。また、ウエルネスに関しても生命科学や心理学など多様な観点から学んでいきます」 データサイエンスに関する科目の充実度も注目される。 「コロナ禍で多くの人が改めて実感することになりましたが、今の時代はあらゆる分野でデータに基づいた実証的な議論が求められます。スポーツやウエルネスについて考える際にもデータサイエンスに関する知見や技術は必須と考え、共通科目に組み込みました」世界中の人々の健康状態といったビッグデータも扱うほか、選手の競技中の動きのデータを集め、分析するといったアプローチもあり得る。スポーツはデータを豊富にとることができ、結果もわかりやすく示されるので、楽しみながらデータサイエンスを学ぶことができるはずだ。 また、専門英語科目群では、アスリート出身の外国人教員が指導に当たるなど、同学部ならではの特色ある英語教育が展開される予定だ。 さらに、大学教育では異例のeスポーツにも目を向ける。 「豊島区、新座市、東京ヴェルディの協力を得て寄付講座を開講する予定です。eスポーツに関しては社会的な注目度が高まっている一方で、科学的な研究はまだまだ進んでいません。本学部はここに取り組んでいきたい。例えば、ゲームによる神経系の活動が脳の活性化にどう関係するのか、eスポーツを通して養われる集中力が実社会での仕事力にどうつながっていくのか、やりすぎることで心身にどのような悪影響があるのかなど、eスポーツの功罪両面を科学的に明らかにしていきたいですね。また、障がいのある人も健常者と対等に楽しめるeスポーツというプラットフォームを、インクルーシブなコミュニケーションやコミュニティ、まちづくりにどう活かしていくかということも研究対象としていく予定です」 同学部が取り組む多様で先進的な教育は、これからの社会におけるスポーツの可能性を示すものといえる。ウェルビーイングに貢献するどのような人材が輩出されていくのか、同学部への期待は大きい。スポーツウエルネス学部の3つの学び領域図2スポーツ科学的知見を総合的に理解し、アスリートのハイパフォーマンスに貢献できる人材を育成。心身ウエルネスや障がい者スポーツの専門性を有し、すべての人がスポーツを享受できる社会構築に寄与する人材を育成。環境問題やサスティナビリティ社会に関する知見を有し、スポーツを通した人間教育に貢献できる人材を育成。多様なスポーツウエルネス学部共通科目図3アスリートパフォーマンス領域ウエルネススポーツ領域環境・スポーツ教育領域専門英語科目群Comparative Sport Culture,Quantitative Research Methods in Sport and Exercise,Motivational Psychology in Sports and Exerciseウエルネス科学科目群ウエルネス科学総論、ウエルネス理解のための基礎生命科学、生理学、スポーツウエルネス心理学(基礎)データサイエンス科目群データサイエンス概論、スポーツデータ収集演習、スポーツデータ解析演習スポーツ科学科目群スポーツ科学総論、運動方法学、運動生理学、運動・スポーツ栄養学(基礎)スポーツマンシップ論スポーツリーダーシップ論6Vol.442 別冊特集

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