中川政七商店といえば、上質な麻製品をはじめ、工芸をベースとした質の高い生活雑貨の製造・販売で知られるが、ビジネスの世界においては、「ビジョンファースト経営」の先駆的企業としても注目を集めている。2007年に「日本の工芸を元気にする!」というシンプルかつ明瞭なビジョンを掲げた現会長の中川政七氏は「事業はビジョンを達成するための手段」「すべてはビジョン達成のため」と言い切る。 しかし中川氏が、十三代社長として父親から経営を引き継ぐ少し前ま「日本の工芸を元気にする!」というビジョンにすべての事業がつながっている中川政七商店。ビジョン提唱者である中川政七会長に決意と覚悟を伺いました。学校と企業は文化も仕組みも違います。しかし組織である以上、重なる部分もあるはず、と編集部は考えました。PART1では、ビジョンファースト経営で知られる中川政七商店が、いかに企業として目指すところを言葉に編み、組織に浸透させたか。PART2では、立教大学の中原淳教授をまじえ語りあっていただきました。企業の事例ですが学校に置き換えつつヒントを探っていただければと思います。取材・文/堀水潤一 撮影/平山 諭人に伝え、共有するために思いを言葉として残す122022 JUL. Vol.443
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