キャリアガイダンスVol.443
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―札幌市立高校のスクール・ミッション(SM)やスクール・ポリシー(SP)はどれも各校の特徴がよく出ています。今回は、その策定と運用をどのように進めたかを伺わせてください。まず、教育委員会はこの取組にどう関わられたのでしょう?札幌市教育委員会でまず議論したのは、市内に8校ある市立高校のSMをどのように定めるかでした。SMは学校設置者が再定義する、つまりは教育委員会が担当するわけですが、こちらの考えを押しつける形にしたくなかったのです。以前から札幌市では、子どもたちに多様な選択肢を提供できるよう、8校が異なる特色を打ち出してきました。2017年には教育改革ビジョンを掲げ、市立高校の目指す生徒像も示しました(前ページプロフィール参照)。そこでそれぞれの学校に、自校の「特色」と札幌市の「ビジョン」を踏まえて、SMの原案を作ることをお願いしました。そのうえで教育委員会と学校が協議を重ね、SMを一緒に形づくったのです。―そうしてSMを共作しながら、各校はSPの策定も進めたのですね。この座談会には、学校のタイプも違えば立場も異なる市立高校3校の先生にお集まりいただきました。どんな学校でどのようにSMやSPに携わられたか、お話しいただけますか。札幌大通高校は、生徒一人一人の多様な状況に対応することを目指して生まれた三部制の定時制高校です。SMでも3項目すべてを「生徒一人一人の」から始め、この点を強調しました。私は当時教頭として、校長・副校長の助言を基にたたき台を作成、先生方の意見の集約を行いました。校内で検討する際に新組織は作らず、分掌部長と年次主任が集まる企画運営委員会を核にしました。そのメンバーから定例の分掌会議や年次会議を通して、情報共有や意見の吸い上げを進めてもらった形です。札幌啓北商業高校では、SPの話が出る前から、学校改革検討委員会を立ち上げ、今後10年を見据えた商業教育の再定義や、育成する資質・能力の整理を進めていました。のちにグラデュエーション・ポリシー(GP)に入れることになるCreation,Collaboration,Challengeという3コンピテンシーズ(3C)のキーワードも、この時点で固まりつつあったのです。そこでSMやSPの策定も検討委員会を中心に進めることになり、その一員として私も関わりました。検討委員会でまとめたことを職員会議で諮る流れでした。札幌旭丘高校は、生徒の自主自立を大事にしてきた進学校です。「この坂越えん」という生徒と共作した校訓があるなど、学校を体現した言葉は既にあり、普通科をベースとするSMやSPの策定はスムーズに進みました。ただ、本校は今年度より「数理データサイエンス科」という新学科を開設したんです。この学科の方針は一から検討する必要があり、私は検討チームの一員として数年前から仲間と議論してきました。その流れで、新学科のGPとも言える「育成したい力」や「育てたい生徒像」、アドミッション・ポリシー(AP)の策定にも携わりました。取材・文/松井大助 撮影/川原 亮札幌大通高校のスクール・ポリシーの策定プロセス●SPに裏付けされた新年度計画● 転任・新任の先生に「本校の生徒の実態」とSPをセットで共有●以下で学校の存在意義の再確認•開校の理念•学校の教育目標•市教委の学校基本構想● 従来からある企画運営委員会をSMやSP策定の中核に[管理職・分掌部長・年次主任]●企画運営委員会がたたき台→分掌・年次会議で意見募集→意見を集約、7月にSM策定→SMを基に、続いてSPの検討へ●職員会議でSP確定札幌大通高校のSM「生徒一人一人」のニーズに対応するという開校の理念を前面に打ち出している。● 生徒一人一人の個性・能力を伸ばし、自らが目標に向かって挑戦することができる学びの場● 生徒一人一人の社会的・職業的な自立に向けて、自らが主体的に生き方や将来を探究することができる学びの場● 生徒一人一人の社会性を育み、自らが積極的に考えを表現し、他者との豊かな人間関係を構築することができる学びの場※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 刊行物 >> キャリアガイダンス(Vol.443)※札幌大通高校のスクール・ポリシー全文は小誌ホームページからダウンロードできます 192022 JUL. Vol.443スクール・ポリシーをみんなのものにする高校事例

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