ナ禍の影響で実地に足を運べない年は、企業のワーカーによる講演やハローワークの出前授業を校内で行った。 さらに、毎年、卒業生によるガイダンスを開催。各学科の卒業生が集い、現在の仕事内容や働き方、いかにして進路を決めたか、高校時代にやっておけば良かったことなどを生徒に向けて語る。20代を中心に生徒と年齢の近い卒業生ということもあり、「先輩の話はリアルで、生徒にも響く。私たち教員があれこれ言うよりも、ずっと効果がある」と佐藤先生。自分はどのような企業で働きたいのか、そのために今やるべきことは何かを、生徒が考えるきっかけになっている。1年生から「自分を見つめる」「企業を知る」を両輪で進めてきた生徒たちに、2年生の3学期に手渡されるのが、「キャリアデザインノート」だ。「進路決定までの〝虎の巻〞」と佐藤先生が称するように、進路選択・決定に関する一般的な情報から、昨年度の3年生のデータ分析、志望動機書の記入例や礼状の書き方まで、コンテンツはかなり充実している。名称に「ノート」とあるが書き込み式のものではなく教科書的な扱いで、生徒はキャリアパスポートと併用しながら進路選択・決定まで活用していく。「キャリアデザインノートは本校独自のもので、毎年、バージョンアップしています。卒業生の就職先や進学先のデータはも進路決定までの〝虎の巻〞「キャリアデザインノート」最新(前年度)の求人や内定の状況に加え、不採用の理由や、採用1次試験の不合格者の成績分布のデータもグラフ化して提示。基礎学力を高めることは就職活動においても重要であることを、エビデンスを添えて生徒に訴えている。前年度の3年生に対して行った「就職活動振り返りアンケート」の結果を掲載。「後輩に伝えたいメッセージ」はリアルで生徒にも響くそう。「面接試験・質問内容ランキング」も興味深い。「近年は、趣味や休日の過ごし方など、仕事のストレスをいかに溜めないか(自己コントロールできるか)などを見ている傾向がある」と佐藤先生は分析する。ツールキャリアデザインノート ※ダウンロードサイト:リクルート進学総研>> 刊行物>> キャリアガイダンス(Vol.443)382022 JUL. Vol.443
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