探究の見方・考え方を働かせ、地域や社会の人、もの、ことに関わる総合的な学習を行うことを通して、自己の在り方生き方を考えながら、適切で論理的な課題の発見と解決ができるようにするために、以下の資質・能力を育成する。▶ (1)地域や社会の人、もの、ことに関わる探究の過程において、課題の解決に必要な知識及び技能を身につけるとともに、地域や社会の特徴やよさに気付き、それらが人々の関わりや協働によって支えられていることに気付く。▶ (2)地域や社会の人、もの、ことと自分自身との関わりから問いを見いだし、その解決に向けて仮説を立てたり、調査して得た情報を基に分析したりする力を身につけるとともに、論理的にまとめ・表現する力を身につける。▶ (3)地域や社会の人、もの、ことについての探究活動に主体的・協働的に取り組むとともに、互いのよさを活かしながら、持続可能な社会を実現するために行動し、社会に貢献しようとする態度を育てる。「自分自身の生き方や在り方を考える」~地域課題と自分の生き方を結ぶ~前半は探究スキルや先輩の人生を学び、後半は地域課題プログラムとして近隣の企業・団体(約10)が提示する地域社会の課題について解決方法を考える。「自分自身との関わり合いと問い」~課題の設定・仮設・実証そして発表~研究したいテーマに個人で取り組む。「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」のサイクルで探究学習を進める。「自分自身と持続可能な社会」~課題研究とSDGsをつなげる~1年生での地域課題プログラム、2年生での興味・関心を基にした課題研究をふまえ、Global and Localな視点から持続可能な社会の実現に向けて自分に何ができるのか、考えをまとめる。特別活動512022 JUL. Vol.443開しているのか、1学年から見ていこう(図3)。 3年間の活動が有意義になるかどうか、「最初のマインドセットが大きく左右する」(飯塚先生)との考えから、1学年前半のプログラムは、前年度の生徒の反応を基に毎年調整している。22年度は問いの作り方や課題の本質の探り方など、探究手法の習得に加え、新たに「キラキラヒカル人生の先輩に聞く」と題する講座を3回設定。いきいきと働く社会人たちの姿から、生徒が自分の将来の生き方を思い描くとともに、そのような将来のために必要な力について考えさせる。 そして、1学年後半では、地域の約10の企業・団体に「オーナー」として課題を提供してもらい、その解決策にグループで取り組む。初めての探究活動となるため、課題設定でつまずくことなくスタートを切り、グループで助け合うことができる体制にすることで、ハードルを下げている。 取り組む課題は、例えば、地元商店街からの「集客力・販売力を高めるには」、地元ラジオ局からの「地域の課題を見つけて取材しラジオ番組を作成する」、地域に根差した活動に取り組む企業からの「自転車安全マップづくり」などさまざまだ。生徒は学校内外での情報収集や調査を行いながら、ラジオ番組制作や安全マップ作成などの課題解決のアクションに取り組む。 そのプロセスにおいて、多く生徒の目の色が変わる瞬間が、中間発表でオーナ校訓に「英知」「調和」「自律」を掲げ、開校以来「生徒一人ひとりの個性を開発し、その充実を目指す教育」の実践に取り組んでいる。2020年度よりキャリア教育と課題研究を2本柱とした「公孫樹プログラム」を総合的な探究(学習)の時間にて展開。2021年度に第14回キャリア教育優良教育委員会、学校及びPTA団体等文部科学大臣表彰受賞。1977年設立/普通科生徒数836人(男子374人・女子462人)進路状況(2022年3月卒業生)大学249人・短大2人・専門学校等11人就職1人・その他7人宮城県仙台市太白区根岸町14-1 022-246-0131総合的な探究の時間運営委員会・2学年担任小野寺智弘先生総合的な探究の時間運営委員会・3学年担任飯塚大樹先生図3 公孫樹プログラムの取組概要図2 公孫樹プログラムのイメージ図1 公孫樹プログラムの目標と目的1学年2学年3学年国語数学理科芸術家庭情報地歴公民外国語保健体育総合的な探究の時間(公孫樹プログラム)
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