キャリアガイダンスVol.443_別冊
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 このようなデータサイエンティスト像は、理系の専門職と捉えられがちな一般的なイメージとは明らかに異なる。さらにその先を行く、イノベーションの先導役として、より重要な役割を担う仕事であることがわかる。 「もちろんデータ解析ツールを使いこなせたり、C(シー)やPython(パイソン)などの言語を使って自分でプログラムを組んだりすることは基本的なスキルとして必要です。統計解析向けのR(アール)などの言語も習得したほうがいい。統計学や確率・統計、線形代数などの数学の知識も求められます。しかしそれ以上に大切なのは、データをエビデンスとしながらまだ見えていない課題を見出し、解決策を探究していく力です。それができる人材をいかに育てていくかということが、未来工学部データサイエンス学科の目的です」 さらに医学部をはじめとする生命科学系の学部が揃い、3つの附属大学病院を有している北里大学でデータサイエンスを学ぶ意味も大きい。各学部や併設校には生命科学に関わるデータが豊富にあり(図2)、未来工学部データサイエンス学科ではそれらを活用して実践的な学びを展開するという。 「次々に仮説を立てていくためには、次々に必要なデータを取ってくる必要があります。北里大学には医学、薬学、生物学などの生命に関わる膨大かつ精度の高いデータがありますから、生命科学系の領域に関しては、学生は単に与えられたデータを解析するだけでなく、新たに必要と思ったデデータサイエンス学科の8つの研究分野データサイエンス学科4年間の学び図4図31年次社会を知り、人間を知り、基礎を固める基礎科目で幅広い教養を身につけ、まず社会や人のことを深く理解する。さらにデータサイエンティストとして必須となる数学力を強化。2年次手を動かしてプログラミングを習得する専門基礎科目としてプログラミング言語を学び、3年次以降に必要となるスキルを高める。また、高校で学んだ統計・確率などとデータサイエンスの接点を理解し、数理の力も向上させる。3年次実社会のデータ、生命系データに触れる例題に対して仮説を立て、データを集め、分析をする一連のプロセスを体験する。専門基礎科目の理解を実際に役立てるために機械学習に関わるプログラミングや実社会のデータ、生命系データを利用した演習を行う。4年次自分で課題を設定し、データ集めから研究を進める研究室に所属し、それぞれが興味のある分野で課題を設定し、卒業研究やセミナーなどを通じ、それまでに学んだ知識の統合と実践的なデータの解析を行う。■ 生命現象を厳密に比べる「生物統計(BS)」■ 生命現象の背後にある複雑な関係をモデル化する「データモデリング(DM)」■ 生命現象を時間・空間的に捉える「バイオイメージインフォマティクス(BI)」■ 複雑な生命現象から情報を取り出す「人工知能(AI)」■ データを生体分子設計や制御に利用する「生物工学のためのバイオインフォマティクス(BB)」■ 情報をモノづくりに利用する「ソフトマターインフォマティクス(SI)」■ 医療情報を自由に使えるようにする「メディカルインフォマティクス(MI)」■ 生命研究と情報科学の接点を拓く「ライフサイエンスプラットフォーム(LP)」理学部獣医学部海洋生命科学部薬学部、医学部看護学部、医療衛生学部北里大学保健衛生専門学院北里大学看護専門学校[併設校]生命科学の総合大学として、生命に関するあらゆるデータを保持図2生命科学の基礎的研究を行う分野人間の生命と健康に関する分野動植物と環境に関する分野生命現象を分子レベルで捉える健やかで快適な生活を目指す地球環境の保全や生物資源の有効な利用法を探る6Vol.443 別冊特集

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