次に、マシュマロ・チャレンジを体験した振り返りを、グループで話し合ってもらった。振り返りのテーマは「うまくいったこと、いかなかったこと」という気づきや学びと、「次に同様のワークをやるとしたらどう改善するか」の2点。2番目のポイントは、次に実施するのはまったく同じワークではなく、材料などの条件が変わるかもしれない「同様の」ワークという点だ。これが、「具体」を「抽象化」させることにつながっているのだ。先生たちの振り返り(図3)に対して、細谷氏は「次にどんな材料が来てもOK」のことと、「材料が同じでないと改善点にならない」ことに分類しながら解説していった。 * 「土台と高さを出すための基礎をテープ以外で考える」は、次のワークの材料が変わっていた場合は改善点につながりません。「具体→具体」の解決体験からの気づきをいかに抽象化して考えられるか策では他の領域では使えず、次にどんな材料が来ても使える解決策を立てるには、気づきを一旦抽象化する必要があります(図4)。先生たちはさすがで、かなり抽象化して振り返りができていますが、逆に抽象的すぎる気づきでも、次に何をすべきかの教訓にならない場合もあります。「固定観念にとらわれない発想」という改善点がその例で、その通りで文句のつけようがない教訓なのですが、実際に何をすべきかがイメージできません。次に活かすためには、「具体→抽象→具体」という往復が重要で、抽象化した教訓が次の具体策をイメージできるものでなければならないのです。体験演習のメリットは、やってみることで「何がわからなかったのか」が見えてくることです。全体を一通りやってみないと、うまくいくかどうかはわかりません。とりあえずやってみて、最適解でなさそうな場合は、課題を洗い出しながらやり直してみることの繰り返しが大事なのです(図5)。図3先生たちの振り返り図5図4231.気づき、学びうまくいったこと・足場(紐)の作り方・構造(仕立て)・2本で支える・やりながら・最悪1段 ↓ リスクマネジメント2.同様のワークをやるとしたら・リスクマネジメント(理想-最低)・動きながら考える・重さ、支柱の強度・既存の構造物の観察、利用・固定観念にとらわれない発想・土台と高さを出すための基礎をテープ以外で考える2022 OCT. Vol.444うまくいかなかったこと・重さの概念・スパゲッティの強度・紐の使い方(はさみ)・関節の固定・最低ラインができず「具体抽象」で本質的な課題を見出すことを積み重ねることで教訓が生まれ、別の具体的な体験に応用できる。具体的な体験を抽象化して本質的な課題を見出した後に、次の具体策を考えることで体験が学びとなっていく。※ダウンロードサイト:リクルート進学総研>> 刊行物>> キャリアガイダンス(Vol.444)もし次に、「同様の」ワークをするとしたらどう改善しますか?
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