キャリアガイダンスVol.444
29/66

八代高校(熊本・県立)遠山規子先生※ダウンロードサイト:リクルート進学総研>> 刊行物>> キャリアガイダンス(Vol.444)富士見中学校高校(東京・私立)宗 愛子先生、伊東由紀子先生29「試行錯誤から学ぶ」ワークシート。行き詰まり・教訓・活用の3ステップを記入する。 八代高校の探究活動では、社会課題に対する生徒の当事者意識の喚起や、課題意識を行動につなぐことなどが課題だったため、自分と社会をつなげて考えられるようにプログラムを改良した。1学年ではまずテーマ設定に向けて、地元の方による講話やワークショップから地域の魅力・課題を学ぶ(「伝統の継承」「海洋 致遠館高校では、普通科の探究活動や理数科の課題研究において、生徒が経験を通して学んでいく大切さを自覚し、省察を習慣化できるよう、コルブの経験学習モデルに基づく「試行錯誤から学ぶ」ワークシートを作成。行き詰まったときの経験を、次の3ステップで学びに変える取組を行った。①探究活動や課題研究のなかで感じた「行き詰まり」を挙げる。②そこから今後の学びに向けた「教訓」を導き出す(具体→抽象)。例えば「目の前の問題にすぐにとりかかるのではなく見通しを立てて目的に近づけるように考えて段階をふんで進めていく」「実験前に2022 OCT. Vol.444講座受講後に取り組むワークシートの一部。関連するSDGsをマークし、経済・環境・社会への影響をイメージして記入する。ごみ問題」「防災」などをテーマにした約10講座から選択して受講)。講座後に取り組むワークシートでは、学んだ内容をSDGsの項目と関連づけ、経済・環境・社会それぞれへの影響について考えるなどして、視点を上げてテーマを俯瞰する(具体→抽象)。その視点を活かして「自分は何をしたいか・何ができるか」を考え、今後の行動目標を設定する(抽象→具体)。「若い人たちが地元について学ぶ機会を増やしたい」「地域の防災意識を高めていきたい」といった目標が語られ、探究テーマの設定や探究への意欲的な取組につながっているという。なぜその実験を行うのかを共有し仮説を確認する」など。③教訓を、次の探究や教科学習、学校行事などほかの場面で「活用」してみる(抽象→具体)。 生徒の記入内容は、集約して事例集を作成。教員の指導方法の改善にもつなげた。 「失敗したと感じても、それを教訓化しすぐに活用すれば、それは『失敗』ではなく『学び』になる。本当の失敗とは、経験から学び取ろうとしないこと」と大塚先生。致遠館高校(佐賀・県立)大塚健一朗先生3冊棚の設定例。この生徒は3冊のキーワードを「二点分岐」の型で整理している。情報を関係づける4つの型。※編集工学研究所が考案したプログラム。連載「『問い』の編集工学」第3回(Vol.443)も併せてご覧ください。 富士見高校2学年の総合的な探究の時間では、個人探究の準備段階として「探究型読書」(※)に取り組む。探究型読書は、自分の問題意識や仮説をフィルターにして本から情報をすくい上げるなど、本を“考える道具”とする手法だ。同校では、まず偶然出合った1冊について、目次だけを読んで構造を捉え、キーワードを抽出し、本を紹介する帯づくりをする(具体→抽象)。その帯からの気づきを参考に、最初の1冊と共通点や関連性のある2冊を異なる分野から探して、「わたしの3冊棚」の設定などを行う(抽象レベルの類推)。 一連の活動では、具体的な情報から抽出した3つの要素の関連を情報を関係づける型(三位一体/三間連結/二点分岐/一種合成)に可視化する練習を繰り返す。学んだ型は、探究テーマの設定、学校行事の企画立案、進路選択などさまざまな場面において、自分の考えを整理したり、他者と合意形成したりする際に活用している。

元のページ  ../index.html#29

このブックを見る