リハーサルでは、役割を変えることで、挨拶を受ける側の体験もし、受け手がどのような気持ちになるかなども確認してもらいましょう。人は、他者の動きや様子を観察してそれを真似ることでスキルを獲得します。それを意図的に行うのがモデリングです。獲得してほしい態度や仕草などを提示し、それを観察して、模倣していくことで獲得を促します。モデルの提示の仕方は、ロールプレイで見せるだけでなく、写真やドラマなど、その場面がわかるようなものを活用することもあります。また、良い例だけでなく悪い例も提示することで、その違いを考えることも可能です。そして、それらの行動のポイントはどのようなものか、どんな感じがするかなどを自分たちで話し合い、理解していきます。生徒にとって先生は、学校での身近なモデルとなります。先生自身が気持ちの良い「挨拶」を心掛けていると、それが生徒にとっての好ましいモデルとなるわけです。最初に、実際に身につけてもらいたい行動や姿勢がなぜ必要なのか、その不足によってどのような問題が起こっているのかなどを説明したり、それを身につけることでのメリットを知ることで、「やってみよう」という気持ちを高めていきます。単に一方的にスキルの重要性を語るのではなく、生徒同士での話し合いなども通して、スキルの重要性に気づいていけるようにすることも大切です。自らの気づきがあってこそ、「自分も身につけていこう」という主体性が芽生え、獲得に向けて動きやすくなるでしょう。主体性を大事にするためにも、生徒自身の気づきが大切です。「挨拶はするもの」という決めつけではなく、「最初の挨拶でその人の印象が変わることがある」といったような、先生自身の気持ちや考えを伝えていくことが、挨拶の重要性を理解する第一歩となります。職場体験や学校見学を前に「挨拶」について考える職業体験や学校見学など、校外学習の準備を行うような時期や、推薦や就職など受験対策を始めるタイミングで、気持ちよい「挨拶」とはどのようなものか、挨拶のある・なしで印象の違いはどのようなものがあるかなど、グループやペアで話し合う機会を設けてみるのもよいでしょう。2022 OCT. Vol.44434目標 : 気持ちのよい「挨拶」ができるようになる!社会とつながっていくことを支える進路指導の場面こそ、初対面の人とつながる基本となる「挨拶」の獲得に絶好の機会と言えます。気持ちのよい「挨拶」ができるようになれば、少なくとも社会からは排除されず、人との関係を築いていきやすくなります。そこで、「ソーシャルトレーニング」の手法・手順を参考に、進路指導の中でどう取り込むことが可能かを考えてみましょう。リハーサルは、実際に何度も繰り返し実行して記憶の定着を図り、身につけていくことです。リハーサルには、言語リハーサルと行動リハーサルがあります。言語リハーサルは、理解した知識を口に出して反復し、記憶の定着を図る方法。サービス業の朝礼などで、みんなで心掛けることを唱和したりしますが、そのようなことも言語リハーサルの一つと言えるでしょう。行動リハーサルは、実際の行動レベルで何度も繰り返し実践し、体で覚えていくことです。ゲーム的な要素も加えることで、楽しみながら反復練習できることも大切です。ポイントターゲット行動「挨拶」例えばこんな場面で挨拶の種類の違いをゲーム的にやってみる校外学習の前や面接練習の中で「挨拶」について考える時間を設け、生徒同士が挨拶し合うロールプレイをしてみます。例えば、3人グループになり、挨拶する人、受ける人、その様子を見る人になります。友達への挨拶、先輩への挨拶、会社の人(学校の先生)への挨拶など、相手を変えた挨拶の仕方をやってみるのもいいでしょう。また、集団で模擬面接を行い、入退室から挨拶までお互いに確認してみるのも参考になります。ここで行うリハーサルの対人場面は、生徒にとって現実味のある具体的な場面で行うことが大切です。挨拶を受ける側の目線も確認ポイント例えばこんな場面で面接練習は個人だけでなく集団でも実施する面接練習の際、いきなり練習をするのではなく、挨拶や態度の良い例・悪い例をロールプレイで示し、その違いについて話し合う時間を設けます。この際、先生がロールプレイしてもいいですし、ドラマのシーンや写真などを使用してもいいでしょう。また、面接練習は個人だけで行うのではなく、集団で行うことによって、モデリングを図ることができます。互いに真似したいと思った態度や様子などを確認したり、良かった点をフィードバックしたりすることで、適切な態度の理解を深めます。日頃の先生の「挨拶」もモデルとなるポイント例えばこんな場面で「挨拶をしなさい」という指導や命令は逆効果進路指導場面でソーシャルスキルを獲得!基本の「挨拶」から変化を起こす
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