キャリアガイダンスVol.444
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野高校。目指しているのは「『やってみたい』を『やってみる』にする学校」だ。宮島忠史校長はこう意気込む。 「何が正解かわからない現代、やってみたいことがあるなら実際にやってみることが大切。我々はそれを全力で支援したい」いており、統廃合の危機にあった。津和野町唯一の高校を失うわけにいかないと、2011年度より始まった高校魅力化・活性化事業を受けて、高校魅力化コーディネーターの配置、「しまね留学」(現・地域みらい留学)と呼ぶ全国からの生徒募集、学校敷地内に無料の町営英語塾「HAN−KOH」の開設など、県や町と連携してさまざまな施策に取り組んできた。生徒数の減少には歯止めがかかり、現在は200人ほどを維持。その3分の1は県外からの入学者で、教室にはさまざまな方言が飛び交う。 「学力の輪切りではなく、多様な文化・背景をもつ生徒が、さまざまな期待をもって一つの学校に集まり、お互いを認め合いながら歩んでいる学校です」(阿部志朗教頭)の柱として力を入れているのが、総合的な探究の時間を中心に展開する「T-PLAN」(T=津和野の頭文字)だ。高校魅力化の一環で始めた地域の大人との交流プログラムを前身とし、毎年改島根県の中山間地域に位置する津和同校は10年前まで生徒数の減少が続そんな同校が、教科学習と並ぶ教育T-PLANもそのステップに沿って設計良を重ね、19年度より現在のような3年間の体系的なプログラムとなった。その大きな目標は、「生徒が興味関心のあるテーマを発見し、そのテーマに取り組むことで、物事の本質を探り、自己理解を深めること」だ。 「地域課題の解決に取り組むこと自体も大事ですが、その課題に目を向けた『自分』というものに向き合い、掘り下げていくことを重視しています」(宮島校長)同校は高校3年間を、気になること・やってみたいことを探す「テーマ発見期」、何かを考え実際にやってみる「トライ&エラー期」、学びを次の挑戦へつなぐ「俯瞰・発展期」の3ステップで捉えており、している(図1・2)。その内容について順を追ってみていこう。テーマ発見期にあたる1学年において、     身近にあると気づかせ、自分の興味関心主要な活動の1つが「ブリコラージュゼミ」だ。「ブリコラージュ」とはフランス語で、あるものを活かして作る「日曜大工」などを意味する。町の「ひと・こと・もの」を組み合わせて作った講座を通じて、生徒に自らの可能性を広げる人や場所がを探っていくきっかけとするのがねらいだ。地域の人に講師を依頼して、10講座程度を年3回設定。生徒は毎回1講座を選択して参加する。講座のラインアップは、「農業体験」「議会に潜入」など町につ統廃合の危機を経て地域探究が教育の柱に地域に学ぶなかで「やってみたい」を探す取材・文/藤崎雅子2022 OCT. Vol.44450生徒の「やってみたい」をどのように育んでいるのか。探究プログラムを中心にご紹介します。総合的な探究の時間 地域連携 地域体験型講座 トークフォークダンスプロジェクト活動 高校魅力化コーディネーター 全国生徒募集10年前まで統廃合の危機にあった津和野高校では、生徒が数多くのプロジェクトを立ち上げ、地域と連携して活発に活動しています。

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