いて知る講座から、「難民の方々と話そう」「韓国語独学入門」のようなグローバルなテーマまで幅広い。高校魅力化コーディネーターとして地域の人と共に講座づくりに取り組む玉木愛実さんは、「五感を使った内容が多く、生徒は楽しそうに取り組んでいる」と語る。1学年でもう1つの主要な活動が、生徒と地域の人が同数集まって一対一の対話を繰り返す「トークフォークダンス」だ。地域の人と出会い、コミュニケーションに前向きになる機会として、他校の実践を参考に導入。当日の運営は、地域の有志団体のボランティアによって行われる。対話のテーマは「朝食に何を食べたか」といった軽いものから始め、「高校を選んだ理由は?」「ブリコラージュゼミで印象的だったこと」「高校でどんなことに挑戦してみたいか」など、徐々に生徒の自己開示を促していく。 「普段はあまり積極的に話さない生徒も、一対一という環境では話さざるを得ない。あまり大人と話す機会のなかった生徒も、自然に一歩踏み出せるようです」(高校魅力化コーディネーター・木村真二さん)これをきっかけとして、地域の大人との継続的な交流を始める生徒もあるという。こうした1学年の取組を見ただけでも、T-PLANが多くの地域の人の深い関わりによって成り立っていることがわかる。人口7000人足らずの町において、バラエティーに富んだブリコラージュゼミを開講し、トークフォークダンス協力者を生徒と同数集めるのは容易ではないと思われるが、「それほどの苦労はない」という。 「こちらからも声掛けしますが、地域の方から『こういうことを高校生と一緒にやってみたい』とお申し出いただくことが多いですね」(玉木さん)所などの〝組織〟としてというより、〝個人〟として積極的に関わる人の多さだ。同校で目立つのは、町役場や商工会議それは、教職員やコーディネーターが地域に出て人間関係を結んできた結果といえる。「一人ひとりの教職員が日常的に地域と膝を突き合わせ、表面的ではない関係性を築いていくことが大切」と宮島校長。東京から移住して同校に着任した玉木さんは、飲食店を巡ったりイベントを手伝ったりしながら少しずつ地域に馴染み、〝お互い様〟の感覚で同校に協力してもらえるようになったという。 「これまでも多くの学校現場で行われてきたように、組織対組織の関係性は効率個人と個人の信頼関係が地域連携を支える2022 OCT. Vol.444 1908年設立/普通科生徒数198人(男子102人・女子96人)進路状況(2022年3月卒業生)大学33人・短大3人・専門学校等20人就職9人島根県鹿足郡津和野町後田ハ12-3 0856-72-0106主幹教諭村岡英子先生(トライ&エラー期)〇プロジェクト活動110年を超える歴史がある津和野町唯一の高校。目指す学校像は「『やってみたい』を『やってみる』にする学校」。2011年度に島根県から離島・中山間地高校魅力化・活性化事業に指定され、高校魅力化コーディネーターを配置し、全国生徒募集、地域協働による探究活動の拡充、無料町営英語塾開設などに取り組んできた。地域課題に取り組む部活動があることも特徴。教頭阿部志朗先生校長宮島忠史先生(俯瞰・発展期)〇3年間のまとめ(学んだことの言語化・発表)高校魅力化コーディネーター木村真二さん高校魅力化コーディネーター玉木愛実さん(テーマ発見期)〇ブリコラージュゼミ (選択制体験型講座)〇トークフォークダンス図1 津和野高校の3年間図2 総合的な探究の時間「T-PLAN」の主な取組511学年2学年3学年
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