キャリアガイダンスVol.444
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学は、建学の精神に基づき宗教性、国際性、貢献性という三つの柱を掲げています。宗教性とは特定の宗教を指すものではありません。私たちは、人知を超えた何かによって生かされています。それを神様や仏様、あるいは大自然という人もいるでしょう。そうした存在を知ることで、自他の「命」に対して謙虚になれると考えます。国際性という点では、本学は創立以来、語学教育に力を注ぎ、今も50以上の海外大学と協定を結んでいます。ただし、外国に行きさえすれば国際性が身につくわけではありません。他国の人と交流を深めるにはまず、自国を知る必要があります。本学には附属施設として世界の稀書をはじめ約150万冊の蔵書を誇る天理図書館や、各国の民族・生活資料を収蔵する天理参考館という博物館があります。前者が縦の深まりを知る場とすれば後者は横の広がりに触れる場所。こうした施設の活用で在学しながら国際的な教養を深めてほしいです。外務省や国際機関での活躍を目指す学生を対象に外交官養成セミナーも始めました。外務省の制度を活用し、多くの学生や卒業生が在外公館で活躍しています。在するものではありません。宗教性があることで貢献性が発揮しやすいし、貢献性があることで国際社会に目が向かう。例えば、2019年世界柔道選手権東京大会および東京五輪では計貢献性も含め、三つの柱は単独で存参加しました。まさに国際性と貢献性を合わせた活動です。この度、ウクライナからの避難学生9人を受け入れたのも同様です。全員に学生のチューターをつけており、互いに感じることは多いはず。学生を紛争地域に行かせるわけにはいきませんが、キャンパスの中で我がこととして国際問題を学ぶことは可能です。気候変動や社会福祉など外の世界のさまざまな問題を、いかにリアリティをもってキャンパス内に取り込むか。それが大学の役割だと考えます。2023年4月には天理医療大学学   本も聞かれるなど、やはり三つの柱に合と合併し、医療学部を開設します。国際的な看護師を目指したいという声致しています。学問領域が拡大するなか、専門と異なる分野に接することで広い教養を身につけ、他者への貢献につなげることを期待します。先程の通訳ボランティアのなかに、故障で競技者としての柔道の道を断念したものの、そこで諦めず懸命に英語を学び、新たな目標を見出した学生もいました。今春まで東南アジアの在外公館に派遣され、現在は外務省に勤務する卒業生も元柔道部員。キャンパスという奥行きのある世界で可能性を最大限に引き出す。その土壌が本学にはあります。天理大学長永尾教昭55【学長プロフィール】ながお・のりあき●1956年生まれ。天理大学外国語学部フランス学科卒業。1984年から2009年までフランス在住。1995年天理教ヨーロッパ出張所長。学校法人天理大学評議員、常務理事、道友社長などを経て、2016年4月より現職。著書に『在欧25年』ほか。【大学プロフィール】1925年天理外国語学校開校。1949年天理大学開学。2025年に創立100周年を迎える。人間学部(宗教学科、人間関係学科)、文学部(国文学国語学科、歴史文化学科)、国際学部(外国語学科、地域文化学科)、体育学部(体育学科)に加え、2023年4月医療学部を開設。奈良県天理市。2022 OCT. Vol.444まとめ/堀水潤一 撮影/桐原卓也69人の学生が通訳ボランティアとして̶変革に挑む̶外の世界のさまざまな問題を、いかにリアリティをもってキャンパス内に取り込むか

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