「これから40分間、少人数のグループにわかれて歩きます」。市川さんがそう話すと、生徒たちは少し面倒そうな表情をした。遠出をすると思った生徒から「長い距離を歩くのは疲れそう…」と声があがるが、今回歩くのは高校の敷地内だけだ。3〜4人で1組をつくり、あてもなく歩く。「歩くという漢字は『少』し『止』まると書きます。少し止まってみることで、観察の感度が上がるんです。なんとなく気になるものを見つけたら、とりあえず写真を撮ってね。SNSで〝映えない〟写真を撮ろう」(市川さん)。行うのはそれだけだという。「大事なのは、みんなの中にある『なんとなくセンサー』が働く瞬間。あれ? や?と感じるもの」(市川さん)。スマホで情報を検索するのも禁止。目的地はなく、進む方向もグループごとに自由だ。生徒たちはキョトンとした表情だったが、市川さんに促されて歩き始める。 お「映え・ググる」は禁止自分の感度に素直になって
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