経験してみよう。やってみないと好きかどうかもわかんない」と伝えたいです。「本音で相談できる相手がおらず、孤独を感じる」という声も聞きます。仲井進路について友達に話しづらい、というのはよく聞く話。「そんな夢、無理に決まってるじゃん」って思われたら嫌だとか。身近な存在だからこそ、話せないことって多いですよね。菅野その観点はカタリバもとても大切にしていて、活動の原点になっています。親しい関係性において自分をさらけ出すことは難しい。そうしたヨコの関係でも、親や先生などのタテの関係でもなく、利害関係のない少し年上の先輩との〝ナナメの関係〟であれば素直になれるのではという考えです。私はワークショップの場でよく、「自分だけが疑問や違和感をもっていると思うことは?」と聞くことがあります。もちろん関係構築ができている安全な場であることが前提ですが。すると例えば「夜、寝るのが不安」などの発言が出てきます。「話してくれてありがとう。では、同じことを気にしてた人は?」と聞くと何人も手が上がります。自分だけが悩んでいたわけではないことがわかり、少しほっとした表情をします。そこで、こう付け加えます。「みんなも悩んでいるってことは、あなたはその悩みの代表。それについて探究を深めれば、社会課題を解決することに繋がるかもしれないよ」と。仲井さんはZ世代と呼ばれる今の高校生の特徴をどう捉えていますか?仲井編集部では「人生相談したい有名人ランキング」といったカジュアルなテーマを含め、毎月千人規模のアンケートを実施しています。でもニュースの見出しになるような尖ったコメントは少数で、地に足の着いた回答がほとんどです。また、記事制作に協力してくれる3千人の高校生エディターに、どのような協力が可能か登録時に聞くのですが、誌面に登場したい高校生は2割もいなく、アンケート協力でこっそり参加したい、という子が最も多いんです。友達の目を気にしているのかもしれませんね。菅野カタリバの活動でも「友達に真面目とか意識高いと思われたくない」という発言はよく聞きます。関係性の中での自分の立ち位置が気になるのです。昔から同調圧力ってありましたが、今はSNSなどを通じて学校の外でも繋がっている状態なので、人間関係に苦慮する生徒は多いと感じます。仲井趣味垢、リア垢、ROM垢など ― ―世代で一括りにせず環境と人柄を分けて考える172023 APR. Vol.446かんの・ゆうた●早稲田大学教育学部卒業後リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。東日本大震災を機に休職し、NPOカタリバが運営する「コラボ・スクール大槌臨学舎」の立ち上げに従事。一時復職するも2013年カタリバに転職し、大槌臨学舎の統括担当に。2017年大槌町教育委員会に出向。2019年よりカリキュラム開発等専門家として大槌高校に常駐。マイプロジェクト、ルールメイキングプロジェクトにも関わる。文部科学省コミュニティ・スクールの在り方等に関する検討会議委員。認定特定非営利活動法人カタリバ大槌町教育専門官菅野祐太さんあなただけがもつ視点を大切に、社会との対話をし続けてほしい
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