キャリアガイダンスVol.446
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     「キャリアシップ」だ。学校と企業が打 「一番大きいのは、生徒の特性をわかっ兵庫県立錦城高校は、「自分を見つめなおし、学びなおし、自分自身の生き方や自分の在り方を探してみたい」と考える生徒の入学を歓迎する夜間の定時制高校だ。不登校や勉強に意味を見出せなかった経験をもつ生徒が、社会体験や面談を通して自己理解を深め、今後のキャリアを見据えていく。同校のキャリア教育の特徴の一つがち合わせてから、生徒がその企業でアルバイトをする(図1参照)。協力するのは地元企業24社で、現在も連携先を開拓中。校内には授業のない昼間に一般のアルバイトをする生徒も多いが、その体験との違いを、キャリア教育部の上村耕平先生は次のように説明する。てくださっている企業の下で、仕事を経験できることです。コミュニケーションや継続に苦手意識があり、アルバイトに踏み出せずにいた生徒も挑むことができます。また、互いの相性が合えば卒業後に正社員にすることも見据えてくださっているので、単純作業で終わらず、スキルを磨くこともできるのです」同校は毎年春に企業ガイダンスを行っており、その後のアンケートで協力企業に興味を示した生徒に、キャリアシップをやってみないか声をかけるという。また、アルバイトなどの社会経験がない生徒に対して、担任が話をもちかけることもある。キャリアシップをやってみても、続かずに終わる生徒も当然いる。だが企業の理解があるので、この取組ではその失敗もプラスに捉えていく。 「自分にこの仕事は難しい、と生徒が感じたなら、社会に出る前にそれがわかって良かったと。成功・失敗を含めて『わかる』ことを学びとしています。卒業生の調査では、就職後に『こんなに大変だと思わなかった』『思っていた仕事と違った』と感じると、離職しやすいという結果が出ています。本校がキャリアシップに力を入れるようになったのは、そうしたミスマッチを防ぎ、生徒が自分に合ったキャリアを歩めるようにするためなのです」(上村先生)このほか、1年生から4年生にかけて、総合的な探究の時間やロングホームルームの時間に、生徒が自分を理解し、地域や社会を知る取組も行っている。ま実社会での成功・失敗体験どちらも学びにできるように社会のなかで自分がどうありたいかを思い描くことは、情報はたくさんあっても実感として得たものはまだ少ない高校生には難しいものです。生徒が自分の思いをもって踏み出せるように、学校ができることは。2校の先生方にお話を伺いました。取材・文/松井大助2023 APR. Vol.44626キャリアシップのイメージ図1

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