キャリアガイダンスVol.446
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進路選択を「自分ごと化」できるよう段階的に指導する割 秋留台高校では、生徒が進路選択を「自分ごと化」できるよう、1年次は「(進路を)知る・学ぶ」、2年次は「(進路を)考える・絞る」、3年次は「(進路を)固める・決める」をスローガンに掲げ、3年間を通して段階的に指導している。「他校と同様、親や先生に言われないと動けない、付け焼き刃的に進路を決めてしまう生徒がいるという課題があります。加えて本校の場合は、サポートが厚いぶん、自分でがんばるべきときや、自分で考えて判断すべきときでも、周囲に頼ってしまうという傾向があります。学校では補助があっても社会に出ればありません。進路指導においては、全員が自分の手で自分の希望する進路を選び取ることを目指しています」1年次は「(進路を)知る・学ぶ」ことからスタート。2022年度の1年生からは内容を拡充し、総合的な探究の時間をすべて進路探究の時間に充てている。「従来は、こういう進路があるよというガイダンスが中心でしたが、2022年度からは生徒自身が書いたり発表したりする機会を増やし、それに対するフィードバックもしっかりと行うようにしました。これまでは1年次には行っていなかった三者面談も行い、保護者にも生徒の情報を共有するようにしています。三者面談により、進路についての目線を合わせることができ、親子間でも初めてお互いの考えがわかることもあるので、重要性を改めて感じています。また、3学期には、上級学校を見学したり企業の人事担当者の話を聞いたりする校外学習も行っています」2年次のテーマは「(進路を)考える・絞る」。7月には全員が3日間のインターンシップを体験する。コロナ禍の影響でここ数年は中止や縮小が続いていたが、2022年度は通常通りに実施された。「本校ではあきる野市の商工会の協力を得て、長くインターンシップに力を入れてきました。近年は近隣の市の事業所にも協力してもらい、製造や保育、介護を中心に、幅広い業種、職種から選択できるよ進路指導部主任(進路アドバイザー検定合格認定)■■■■栢健太先生41取材・文/笹原風花2023 APR. Vol.446 1976年に東京都あきる野市に開校。現在はエンカレッジスクールとして、高校入学後に改めて基礎から学び直したい、自分の可能性を伸ばしたいという生徒を受け入れ、支援している。学習面では自分のペースで着実に学べるようサポートするほか、生活態度や身だしなみの指導、自己管理能力の育成などにも力を入れ、自立した社会人になることを意識した教育を行っている。 進路指導では「補欠なき団体戦」をモットーに、生徒、教職員、外部機関・人材、保護者が一丸となって「チーム秋留台」を形成し、生徒一人ひとりが希望する進路の実現に向けて取り組んでいる。卒業後に職業能力開発センターや地域若者サポートステーション等で就職支援を受ける生徒を含めて「進路実現率100%」を目指しており、2021年度、2022年度は目標をほぼ達成した。 学校生活におけるさまざまなシーンでサポートが手厚い反面、周囲からのサポートに頼ってしまい、自らの進路を主体的に選択できない生徒が一定数いるのが現状。その結果、進学後、就職後にミスマッチを起こして辞めてしまうというケースもある。エンカレッジスクールとしての機能を発揮しつつ、生徒の自立をいかに支援するかが課題となっている。1976年開校/普通科/東京都教育委員会指定「学びの基盤プロジェクト」研究協力校/生徒数620人(男子371人・女子249人)大学進学25人、短大進学9人専門学校進学71人、就職70人その他31人、未決定1人「その他」は、職業能力開発センターや地域若者サポートステーション等で就職支援を受けながら、就職を目指す生徒。ここ数年は進学希望者がやや増える傾向にある。

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