キャリアガイダンスVol.446
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さい。一日の仕事が終わり、疲れた体を引きずって電車や車に乗り込み、帰宅する瞬間。あなたの心のなかには、どんな言葉が浮かんでいますか? 「今日もよく働いたよ」「夕飯、何食べようかな」…。考えてみると、私たちは生活のなかでいく度も、なんとはなしに自分に対して言葉をかけているものです。昨日のあなたは、どんな言葉で自分に話しかけましたか。ウンサーの木村拓也です。アナウンサーの僕が「コミュニケーション」と言うと、カメラの前でマイクを持って話しているイメージ突然ですが、ちょっと想像してみてくだ「あ〜、疲れた」改めまして、こんにちは。フジテレビアナが真っ先に思い浮かぶでしょうか。あるいは取材をしている場面や、テレビ局のスタッフたちと打ち合わせをしている場面。確かに、誰かと話すこともコミュニケーションの一面ですが、僕が「コミュニケーション」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、朝起きてベッドの上で一人、ぼんやりしている場面や、仕事帰りに電車に揺られている場面です。力まずに一人でリラックスしている時間、自問自答というほどたいしたことではなくとも、僕たちは自分に対して何気なく言葉をかけている。もし心のなかの声も含めて、一日の会話を文字に起こしたら、他者と話すよりも自分と話している量のほうが余程多いかもしれませんね。やたら「今日の中継、大丈夫だったかな」「うまくいかなかった」と後ろ向きの言葉ばかり浮かぶときは、もしかしたら疲れているのかも。このとき自分に「いやいや、今日もよくがんばった」「えらいよ自分」と言えると、心持ちがだいぶ変わるような気がしませんか? りのままの自分を肯定する感覚にもつながっていくかもしれません。アナウンサーは、多くの人に注目され、お叱りの声を頂くことも多い職業です。それでも心のバランスを保って働くために、僕は自分にかけている言葉を、意識して感じ取るようにしています。そして、できれば自分を肯定するような言葉をかけたい。だけど自分を褒めようとすると、つい「〇〇の仕事をやり遂げた」「〇〇がうまくいった」などと、まるで達成した事実の羅列のようになってしまいませんか。「ただ肯定する」のは、案外難しいものです。自少し楽になる。ひいては、あ過渡期にある教育現場で、新たな「学力」として育成が求められている「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」。多様な人と協働するために欠かせないのがコミュニケーション能力です。ただし、社会に出て実践の場で求められるコミュニケーション能力は、生徒のイメージとは少し異なるかもしれません。一体、コミュニケーションってなんだ?報道番組で週5日、さまざまな現場を取材し生中継を行う木村拓也さんのお考えを、2回にわたって連載します。ぜひ生徒と一緒に「コミュニケーション」の正体を考えてみてください。「大丈夫かな?」ではなく「よくやった」と言えるか     きむら・たくや●2013年フジテレビ入社。情報・報道番組を中心に担当。『みんなのニュース』のコーナー「上を向いて歩こう!」では、全国で1000回以上の生中継を経験。現在は「Live Newsイット!」アクティブキャスターとして、現場から毎日生中継。TCS認定プロフェッショナルコーチを取得。取材・文/塚田智恵美 イラスト/桔川シン2023 APR. Vol.44644

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