キャリアガイダンスVol.447
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「リスペクト」は国境を越える全力で戦ってこそ生まれる絆。ゲームで勝つには英語でも情報を得なければ憧れの人とは自分の言葉で直に熱量を交換したい近年は、職業としてeスポーツ選手(プロゲーマー)を選択する人も増えています。私も18歳からプロの世界に飛び込み、数々の世界大会に出場してきました。世界との差を考えて、専門職としてのコーチが日本にも必要だと感じ、21歳でコーチに転身しました。世界のeスポーツ市場は、北アメリカや韓国・中国がリードしています。おのずと世界に出回るゲーム関連の情報も、他言語が多いです。翻訳サイトやアプリを活用しながら情報収集していますが、自分に知識がないと、翻訳された情報が本当に正しいのか、判断できません。もともと洋楽が好きで、英語への憧れもあったため、語学アプリなどを使って英語を学ぶように。ただ、ゲームを通じて会話する場合は、片言でも案外伝わるとわかりました。そもそもプレイヤーには英語が第一言語ではない人も多く、ゲームでよく使う単語や言い回しを覚えてしまえば、文法はめちゃくちゃでも通じるのです。むしろ英語を学ぶ過程で衝撃だったのは、世界大会に出場したとき、会場近くのカフェに行って「テイクアウト」が通じなかったこと。英語圏では持ち帰りしたいとき「トゥーゴー」が一般的なんですね。海外遠征で、現地の人と直に触れ合うことで実践的な知識を得ていきました。先日も、世界大会に出場するために韓国に行きました。eスポーツは情報戦の面も大きく、他国の選手やコーチと交わした何気ない会話から、ゲームにまつわる最新情報やその国ならではの戦い方を知って、チームの戦略に生かすこともあります。かしこまらない雑談を通じて得られる情報は意外と多く、コーチとして英語を学んだことはプラスだったと思います。ただ、言葉を通じて交換するのは、情報だけではありません。eスポーツの国際大会では、試合のあと相手チームの選手やコーチに自ら話しかけにいく人たちの姿を見かけます。時には、憧れの選手とユニフォームを交換する場面も。サッカーや野球の国際大会と同じで、真剣に戦うからこそ相手をリスペクトする気持ちが生まれる。強い選手と話せたら嬉しいし、やる気も出る。情報交換に限るなら、精度が高ければ翻訳でいい。でも熱量の交換は、自分の言葉でできたら嬉しいじゃないですか。フィジカルスポーツと同じように、ゲームも、真剣に取り組むことでさまざまなことを学べるものです。スポーツマンシップや戦略的思考…。その一つに、私の場合は「英語」があったのだと思います。いつか日本が、eスポーツで圧倒的な力をもつ日が訪れて「日本語を学ばないと最新の情報に追いつけないな!」とも言われてみたいですけどね。2023年5月に世界大会に出場したときの1シーン。チームをまとめ上げながらも、他国のチームの戦い方を見て、俯瞰して戦略を立てる。選手として活躍後、21歳で専任コーチに転身。日本のeスポーツ界ではゲーミングコーチのパイオニア的存在で多くの支持を集める。所属するZETA DIVISIONではヘッドコーチを務め、チームを世界大会に導く。洋楽が好き。またゲームに関して英語による情報が多かったから。国際大会で海外チームのコーチと雑談し、情報を得られるように。憧れの選手やコーチと交流し、リスペクトの気持ちを伝えられる。©2023 Riot Games, Inc. Used With Permission#学びのキッカケ#変化・気づき#楽しさ・喜び       eスポーツ コーチXQQさんZETA DIVISION

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