キャリアガイダンスVol.447
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● 1学期…ディベート。日本の社会問題について● 2、3学期…課題研究。「学校」をテーマにグループごとに課題を挙げ、より良い学校・学校生活にするためにはどうしたらいいかを深めていく。学年末にはポスター形式の発表会を行う。● 通年…自分の興味・関心のあるテーマを選び、課題を設定。仮説を立て、自分で集めた情報を基に仮説を検証していく。学年末にはPowerPointでまとめた資料を基にプレゼンテーションを行う。新学習指導要領の施行に先駆け、2021年度より総合的な探究の時間を実施してきた名古屋市立菊里高校。1、2年生の探究の授業は、クラスの副担任とキャリアナビゲーター※がペアで担当し、密に● 2学期…選択課題。外部コンテストに挑戦する連携しながら生徒の学びを支えている。2年余りをかけて準備を進め、カリキュラムの作成や運営体制づくりと並行して、広く教員の声を聞きながら探究学習への理解の浸透に努めていった。重視したのが、「持続可能性」と「ボトムアップ」の2点だ。探究部の久賀史恵先生は、こう話す。「公立高校では教員の異動があるなか、人が代わっても継続する取組にしたいという思いがありました。また、探究学習を学校の文化にしていくためにも、みんなで考えてみんなで取り組むという空気も大事にしてきました」教員を対象にしたアンケートで、育てたい生徒像、身につけさせたいスキル、体験させたい活動、アウトプット・成果物のあり方などについての意見を集め、それぞれを言語化して共有。さらに、全教員で「分散会」を開いて意見を交わし、目指したい授業や菊里高校の探究のあり方について具体化していった。こうして生まれた探究のキャッチフレーズは、「みんなの『なぜ』が社会につながるみんなの『なぜ』が未来につながる」。自分の身の周りにある困りごと、疑問、違和感から生まれる「なぜ」を起点に、段階的にレベルを深めていく探究のためのカリキュラムが組まれた。1年次の「探究基礎」では、探究のスキルを習得。1学期には身近な課題や社会問題についてのディベートを行う。久賀先生は、次のように解説する。「客観的な根拠を挙げて議論する、仮説を立て証明する、相手からのフィードバックを受けて議論を深めるといったディベートの手法は、探究のサイクルに通じるものがあります。司会やジャッジも生徒が務め、毎回、とても白熱します。ただし、勝ち負けで終わるのではなく、両サイドの主張が理解できた次のフェーズとして、じゃあどうしたらいいのかをみんなで考える、敵・味方のないノーサイドアクティビティを取り入れています」2、3学期には、テーマに基づく課題研究を行う。お題は「学校」。具体的な課題を挙げ、より良い学校にするにはどうしたらいいかをグループで探究する。「2年次の実践的な個人探究に向け、探究のサイクルを回す練習をする、という位置づけ」と久賀先生。「虫が多い→ヤギを飼う」「駅からの坂道が大変→シャトルバスを出す」というユニークなものなど、生徒たちは身近な課題を解決するためのアイデア(仮説)を出し合い、それを教員や外部専門家への教員みんなで考えてみんなで取り組む、持続可能な取組にディベートと課題研究で探究のベースを身につける【探究基礎】探究のスキルを習得する● 入学前…入学前課題。副教材を読むなどしたうえで、興味のある社会問題や身の周りの課題についてワークシートに記入する。【探究実践】本格的に探究活動を行う● 春休み…春休み課題。副教材を読むなどしたうえで、興味のある社会問題についてワークシートに記入する。【探究発展】探究活動を進路につなげる● 1学期…自分が取り組んだ探究活動についての研究要綱を作成。大学の志望理由書を探究と関連づけて書く機会もある。41与えられたテーマでディベートをする。ことも奨励している。2023 JUL. Vol.447   ※ 名古屋市が実施する「名古屋市キャリアサポート事業」により 各校に配属されるキャリアコンサルティング人材。1896年創立/普通科・音楽科/生徒数1035人(男子492人・女子543人)/進路状況(2023年3月卒業)大学268人、専門学校1人、そのほか81人写真左から、探究部の久賀史恵先生、キャリアナビゲーターの若林かおりさん。取材・文/笹原風花● 年間スケジュール2022年度からスタートした総合的な探究の時間。実践のヒントとなる探究の事例をご紹介します。現場で試行錯誤が続くなか、

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