キャリアガイダンスVol.447
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インタビュー、実験、施設訪問などを通して検証する…という流れを体験的に学んでいく。学年末にはポスター形式で発表を行い、最後にはルーブリックを使った自己評価で1年間を振り返る機会を設けている。2年次の「探究実践」では、自らが選んだテーマについて問いを立て、調査や実験を行いながら情報を集め、分析・検証していく…という本格的な探究学習に取り組む。最後はPowerPontでまとめた資料を使って各自がプレゼンテーションを行い、生徒の評価で選ばれたクラス代表が、学年全員の前で発表する。実践を通して、「教科書通りにはいかないと実感した」と久賀先生は振り返る。「1年目は、最初にしっかりと課題を設定することが大事だと考え、生徒にもそう伝えていました。しかし、テーマを決めて問いを立てても、それについて調べるなかで、この問いじゃなかったなとか、こっちの視点の方がいいなとか、生徒自身に気づきがあることが多くて。2年目には、テーマや問いはとりあえずの仮置きでいい、調べたり考えたりする過程を通して変わってもいいと、伝えるようになりました」また、1、2年目は校内でのアンケート調査を行う生徒が多く、「調査」の意味を改めて考える機会になったと、キャリアナビゲーターの若林かおりさんは言う。「アンケートの結果=結論として、調べ学習で終わってしまう生徒が複数見受けら  i れました。仮説を立てるために行う調査なのか、仮説を立証するために行う調査なのかを明確にしたうえで、インタビューや視察なども含めてどういう調査を行いその結果をどう使うのかという計画を事前に立てる必要性に私たちも気づかされました。今は、一次情報を大事にすること、その情報をどう活用するかを考えることを、1年生の段階から伝えるようにしています」若林さんは1、2年生のすべての探究の授業に参加しており、学年ごとの探究担当者の打ち合わせにも出席している。「初めて探究を担当する先生は不安を抱えているケースもあるので、前年までの生徒の事例を挙げながら、良かった声かけや伴走の仕方をお伝えするようにしている」と若林さん。久賀先生も、「他の学年やクラスの様子や事例を共有してもらえるのはとてもありがたい」と言う。3年次の「探究発展」では、2年次までの探究活動を進路につなげていく。自分が取り組んだ探究についての研究要綱を作成したり、大学の志望理由書を探究と関連づけて書いたりする機会を設けている。外部コンテストに挑戦することも奨励しており、実際に応募する生徒も出てきているという。「本校は一般選抜志願者が多いですが、探究での積み上げを活かして、学校推薦型選抜や総合型選抜を受験する生徒も出てくるのではないかと期待しています。探究に取り組んだ経験があることで、知名度だけで大学を選ぶのではなく、自分の興味・関心と紐づけながら選ぶ生徒が増えるのではないかと感じます」(久賀先生)3年目を迎える菊里高校の探究。「まだまだ試行錯誤の連続」と久賀先生は言う。「今後は、もっと生徒を外に出したいです。地域の事業所の見学会などを行い、生徒が社会を知る機会を増やしたいと考えています。探究をサポートしてくださる外部人材を増やして、外からもより多くの人に来てもらいたいですね。また、先日、図書館部、進路指導部、探究部が連携して大学の先生の講演会を開催したのですが、それぞれが持ち味を発揮したとても良い行事になったので、こうした校内連携の取組を増やして学校として一体感を出せるといいなと思います」調べ学習で終わらないためにも「調査」の位置づけを明確に校内外との連携を強化し、探究を基軸に一体感ある学校に1年次の春休みの課題(上)。2年次に取り組む個人探究テーマの候補として、「自分の興味関心」「日常の疑問」「社会の課題・話題」「学問上の課題」の4つの観点で気になることを調べる。その後の2年次の授業では、調査結果を発表用シート(下)にまとめ、3分以内でクラスメイトに伝える。■写真上:1年次のポスター発表の様子。グループで役割を決め、クラスメイトの前で発表する。■写真下:2年次の「探究実践」の発表の様子。「認知症の祖母と連絡を取る方法」(関与観察)、「笑いのツボの処在」(街頭インタビュー)、「M-1グランプリ必勝法」(ボケの種類や頻度の数値化)、「月経教育の浸透」(家族への模擬授業)などテーマは多岐にわたる。2023 JUL. Vol.44742● 生徒によるワークシート ※ダウンロードサイト:リクルート進学総研>> 刊行物>> キャリアガイダンス(Vol.447)※フォーマットのみ

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