大きく前進した農業と工業のコラボレーションRESAS(地域経済分析システム)を活用して多面的に情報を収集して整理、分析する。 「I(自分)」を掲げる2年次では、地域の課題の自分ごと化を目指す。「総合実習」や「課題研究」など各学科の専門教科において、生産者と地域農業の活性化のためにできることを議論したり、地域の地質特性の調査結果に基づく防災について考察したり、地域課題に対する試行錯誤を行う。 「愛」を掲げる3年次では、地域課題解決の学びを通じて地域と自分を愛することが目標だ。2年次までの学習より各自が専攻分野を絞り込み、班ごとに地域と協働で課題研究に取り組む。例えば、特産品である自然薯の栽培を通じて行う管理の仕方などの調査・研究、公共施設への花壇設置の提案と施工など、地域を舞台にさまざまな活動を行っている。一つは、学科や教科を越えて学校全体で取り組んでいることだ。あい3プロジェクト実施体制の特長のい3プロジェクトには、普通教科も無関係同校には再編統合当初より「農業と工業のコラボレーション」というコンセプトがあったものの、専門性の異なる学科の連携は容易には進まなかった。転機となったのは、あい3プロジェクトの具体的な実施計画立案のため各科代表教員による実施委員会を設置し、毎週、昼食会を開いて話し合ったことだという。 「担当者同士、昼食を一緒に食べながら『ああでもない』『こうでもない』と意見を交わし、徐々にあい3の方向性を見つけていくなかで、互いの理解も進んだように思います。その内容を担当者が各科にもち帰り、ほかの教員の変容にもつながったのではないでしょうか」(松本先生)また、生徒もすすんで学科の壁を乗り越えていった。1年次で学科ローテーションを始めたことで、その経験をヒントに自分たちの活動に他学科の技術を役立てるアイデアを出すようになったのだ。例えば、生物生産科は堆肥を作る際、そこで必要となるセンサーを機械制御科に製作依頼。また、食品科学科のレシピ開発では生物生産科が作った野菜を提供してもらった。 「生徒自らが他学科の教員に協力を要請して実現したこともたくさんあります。そうして関わった先生はその後も気にかけて『どうだった?』『何かできることある?』と声を掛けてくださり、学科を越えたコミュニケーションにつながっていまます」(宗正先生)教科横断的な取組の推進を目指すあ ではない。数学科では地域に関するデータ食品科学科宗正いぶき先生生物生産科長津田洋平先生・ 学科横断型の実習・ 専門的知識・技術の学習・ 「田布施あいレポート」 による地域理解・ RESAS(地域経済分析システム)を活用した分析図1 育成する地域人材像新たな時代を地域から支える人材の育成図2 田布施あい3プロジェクトの概要491年次「Eye」「産業基礎」地域を見て、課題を発見する地域の課題を自分ごととして考える2年次「I」3年次「愛」「課題研究」地域を愛し、地域に貢献する2023 JUL. Vol.4472010年設立/生物生産科・食品科学科・都市緑地科・機械制御科生徒数339人(男子166人・女子173人)進路状況(2023年3月卒業生)大学7人、短大4人、専門学校等35人、就職68人山口県熊毛郡田布施町大字波野10195番地 0820-52-2157専門部長松本純治先生2010年度、田布施農業高校と田布施工業高校を再編・統合し、山口県唯一の農業科と工業科が併設された専門高校として開校。目指す学校像は「ものづくり学習を通して地域社会で活躍する将来の職業人を育成する学校」。2019年度に「地域との協働による高等学校教育改革推進事業(プロフェッショナル型)」(文部科学省)指定校となり「田布施あい3プロジェクト」をスタート。・ プロジェクト学習・ 地域と連携した活動・ 外部人材との意見交換・ 小中学校との連携活動・ 成果発表会① 地域産業の担い手として幅広い知識・技術を有する人材② Society5.0時代に柔軟に対応できる創造力を有する人材③ 世代を超えて他者と協働して課題を解決できる人材「総合実習」「課題研究」・ プロジェクト学習・ インターンシップ・ 外部人材による講演・ 地域と連携した活動・ 成果発表会
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