キャリアガイダンスVol.447
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の活用、英語科では、地域の紹介を英語でプレゼンテーションをするなど、多くの普通教科で地域を題材にした授業を行っている。なかには普通教科の教員が課題研究に入って携わる例もある。生物生産科長の津田洋平先生は、こう手応えを感じているという。 「今は先生方が日常的に『一緒に何かしませんか』と声を掛け合い、学科や教科が交わりながらいろんなことを行っています。昼食会を開く必要もなくなりました」あい3プロジェクト実施体制のもう一つの特長は、「生徒あい3委員会」だ。これは生徒がより主体的に地域に関わっていくため、あい3プロジェクト開始2年目に設置したもので、毎年、全学年の各クラスからメンバーを募って活動している。その主な役割は、あい3プロジェクトを通じて地域と学校をつなぐことと、生徒同士をつなぐことだ(図3)。コンソーシアム会議で同校の活動について報告や相談を行うほか、地域からの要請に応じて街づくり会議などで地域の大人たちと議論することもある。また、毎月、各学科の日常的な活動風景を動画にして正面玄関のモニターで放送するなどし、生徒や教員、外部からの来校者が各学科の学びを知る機会をつくっている。 「年度始めの委員会立ち上がり時のメンバーのモチベーションはさまざまですが、本気で取り組む生徒の影響を受けて全体の意識が高まっていきます。なかには人見知りで人前に出て話すことに苦労する生徒もいますが、回を重ねていくうちに大人に対しても自信をもって意見を言えるようになっています」(宗正先生)地域との連携は、あい3プロジェクト開始に際して設置したコンソーシアムを核として推進している。コンソーシアムは町内の農業・工業関係の事業所や団体などの地域の16人で構成。年3回、同校の活動や授業改善について議論を交わし、連携先への橋渡しや生徒への指導などの協力を得ている。発足初年度のコンソーシアム会議は、主に教員からの報告に対して委員から意見をもらうものだった。それが、2年目から生徒あい3委員会も参加するようになると、会議の雰囲気が大きく変わっていった。 「まず、委員の方々も生徒にもわかるように話そうとされることで、自然と堅苦しさがなくなりました。そして、生徒が自分たちの活動内容をプレゼンし、助言を頂いたり、ご協力をお願いしたりするなかで、『みんなで一緒にやろう』という空気が醸成されていったように思います。会議後も生徒とコンソーシアムの方が『この前はありがとうございました』『あの活動どうなった?』などと語り合う姿が見られ、生徒が地域とのつながりを強めてくれています」(松本先生)生徒が地域に出て活動する様子が学校のWebサイトなどを通じて地域に知られてくると、地域側から「一緒にこんな取組ができないか」といった相談が入るようになった。現在はコンソーシアムを介さない連携も多数生まれ、幅広い授業で地域連携の取組が行われるようになった。例えば食品科学科では、1学期だけでも約10カ所の事業所などとさまざまな連携をした授業を行っている。 「野菜作りなど1年間で完結しない取組もありますが、後輩に引き継いで積み重ねていく流れもできてきました。当初目指大人の議論にも参加する「生徒あい3委員会」コンソーシアムを核に生徒が広げる地域協働都市緑地科3年生が田布施町のPRをテーマに地域交流館前にケーキをイメージする花壇をデザインし設置。生物生産科の苗、機械制御科が企業と共同制作したオブジェを使用。田布施View会議で、コンソーシアム委員や地域住民と田布施町総合計画についてディスカッション。毎月、学科の取組紹介動画を作成し、正面玄関のモニターで放送。     2023 JUL. Vol.447食品科学科が子ども食堂とコラボして「農工弁当」の製作に挑戦中。食堂経営者のアドバイスを受けながら、ターゲットの絞り込み、原価率計算、レシピ検討などを行った。50● 正面玄関用の動画作成(月1回更新予定)● 中学生向けの学校パンフレット作成など● コンソーシアム会議への出席 (年3回/5・6時間目の授業時などを使用)● 発表・取材(地域からの依頼があった際に実施)● 田布施View会議(年2回) ※生徒・行政・地域住民が集い、街づくりを議論● 定例会(月1回ほど。昼休みに実施)図3 生徒あい3委員会の活動予定

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