少子化の影響で学習習熟度に差がある生徒たちに、どんな学習支援を行うか教員と講義動画のW解説で、課題提出率も大幅アップ創立100年を超える島田高校は、地域の中核を担う進学校。しかし近年は、少子化の影響から入学する生徒の学習習熟度の差が目立つようになり、基礎学力を補う自学の促進が課題になっていた。「その解決策に選んだのが、前任の進路多様校で活用していた『スタディサプリ』です。到達度テストで中学までの抜け漏れが明確になるため、学び直しには最適です。ただし、『課題提出をしなさい』という指導では生徒の〝やらされ感〟が増すだけで、主体的に学ぶ姿勢は育ちません。そこで、〝講義動画を見る▶わかる▶面白いから学んでみよう〟と思える学びの仕掛けを考えようと導入時に教員間で話し合いました。授業でも活用し、生徒が『スタディサプリ』に触れる機会を増やしたことで、自学の芽が育ってきました」と進路課の村瀬隆彦先生。2022年4月に全校導入し、基礎学力向上の抜け漏れ対策として「到達度テスト連動課題配信」を春と秋に実施してきた同校(3年生は希望者のみ)。春の実施では英数国とも課題提出率が10%程度だったが、秋には60%以上になり、1年生の数学は100%近い提出率になった。こうした自学の芽を育んだ仕掛けの一つが、教員とスタサプ講師のW解説で行う授業、TT(TTを実施した国語の槫松由美子先生はこう話す。「古典、漢文とも、授業では文法を体系的に解説する時間がないことが悩みでした。スタサプの講義動画は文法がわかりやすくまとまっているので、ぜひ授業で使いたいと思い、講義動画を見せ、重要な部分は動画を停止して解説を加えるようにしました。W解説になるので、〝ここがポイントTeam Teachng●i )だ。最初にだ〟という点が生徒に伝わりやすいですし、わからない点があれば講義動画を見直すことで振り返りができます。スタサプが一番身近な参考書になり、『見ればわかる』という気持ちにつながってくれたと思います」一方、村瀬先生は受験対策の授業に活用し、生徒から好評を得たという。「静岡県の生徒は東西両方の大学を受験します。そこでスタサプの講義動画を授業で使い、『国公立志望者はこの動画がベース』『東の私大志望者は、ここを深掘り』『西の私大は、ここいらない』と生徒の志望に合わせて詳しく解説をしたところ、〝わかる▶学んでみよう〟という生徒が現れました。YouTube世代の生徒たちは、動画のほうが頭に入りやすい。教員も、スタサプの講義動画をTTや課題配信に活用することで、準備時間を大幅に削減でき、補足説明や考え方の指導に注力できます。生徒の主体性を育む学びの仕掛けも、そうしたゆとりから生まれるのだと思います」と村瀬先生。スタディサプリ活用法講義動画を活用した授業TT(Team Teaching)学びたいことを考えさせる冬休み課題● 生徒たちの活用法松由美子先生(国語)テーマ▶自学自習 目的▶わかる楽しさ、学ぶ楽しさを育む取材・文/丸山佳子リクルートサービスを活用した実践事例632023 JUL. Vol.447古典文法の理解に力を入れている槫松先生のTT。「定期テスト前には参考になる講義動画を伝えています。今後は、2次元バーコードで次の授業に参考になりそうな講義動画を知らせるなど、生徒がやらされ感なく、学ぶ方法を考えていきたいです」日本史の受験対策に活用している村瀬先生のTT。「日本史は流れをつかむことが重要なので、動画のほうが覚えやすい。スタサプはベーシックからハイレベルまでコンテンツが幅広いので、今後は多くの科目で授業内活用ができるといいですね」槫松先生が昨年行った2年生の冬休み課題は、“スタディサプリより、自分の学びたい古典関係の講座を『2講座』選び、学習しなさい”というもの。「敬語の総復習や助動詞の識別法(写真左のレポート)、1年生で学んだ四段活用を復習した生徒も。全員が提出し、私の想像の斜め上を行くレポートもありました」と槫松先生。2年生から授業で動画を見るようになり、古典は文法がわかりやすく、音読もスラスラできるようになりました。日本史は、古墳時代の前期と後期の違いなどを動画で詳しく知ることができるので、覚えやすくなりました。国際関係希望なので、英語のベーシックを一通り復習し終わり、今は1日1講座は見て受験に備えています。(3年生・鈴木徹平さん)英語の関先生がすごくわかりやすくて、好きです。1年から振り返ったらかなり穴があったので、受験対策としてテスト期間以外は毎日復習を心掛けています。古典の敬語も、大事なので復習しました。動画で見てから教科書を読んだほうがわかりやすいので、自宅でもスタサプの動画で調べたりすることが多くなりました。(3年生・鈴木永■■遠さん)学習左から進路課 村瀬隆彦先生(日本史)1年生担当 ■■■■槫創立1919年/普通科(男女)生徒数550人(男子295人、女子255人)進路状況(2023年3月実績)大学127人、短大6人、専門学校等15人、就職0人、その他8人課題活用「スタサプでわかる」が定着。教員×スタサプ講師によるTT(Team Teaching)で、「見る▶わかる▶学んでみよう」の仕掛けを作る島田高校 (静岡・県立)
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