キャリアガイダンスVol.447_別冊
3/8

Vol.447 別冊特集3ことで、組織全体の使命、ビジョン、価値観を共有し、ともに創造するパートナーシップを築く。 従来型の組織運営は、「計画→組織化→コントロール」によって成立していた。トップが計画を立て、そのための組織を編成し、現場が計画をきちんと実行するよう管理するという仕組みだ。しかし、トップダウン型のこの手法では、現場でめまぐるしく起きている変化に臨機応変に対応できない。これに対して「学習する組織」は、変化の最前線にいる現場の人たちが常に「何が最善か」を考え、その考えがスピーディに意思決定に反映されていく組織だ。 このような組織をつくるためには何が必要とされるのか。それは3つの能力と5つの「ディシプリン(規律)」に体系化される。3)共創的に対話する力…… 個人、チーム、組織に根強く存在する固定観念を振り返り、内省しながら、ともに創造的に考え、話し合うための意識と能力。 個人レベルでは、頭の中にある世の中の模型であり、私たちが意識・無意識にもつ前提となる「メンタル・モデル」に向き合う。学習する組織では自分のなかのメンタル・モデルに気づき、検証・更新することが大切になる。 グループレベルでは、一緒に探究、考察、内省を行うことで自分たちの意識と能力を共同で高める「チーム学習」に取り組む。話し方と聞き方を鍛えて、内省的・共創的に対話できるようにする。1)複雑性を理解する力……自分の理解とほかの人の理解を重ね合わせて、さまざまなつながりでつくられるシステムの全体像とその作用を理解する意識と能力。 複雑性と全体性を理解する「システム思考」をすることが重要で、特に今の現実、関係者たちの行動、それらがどのように相互作用するかを理解することで、効果的でない行動を抑え、限られたリソースからより大きく持続的な成果を導く。2)志を育成する力…… 個人、チーム、組織が自分たちが本当に望むことを思い描き、それに向かって自ら望んで変化していくための意識と能力。 まずは個人レベルの「自己マスタリー」で、一人ひとりに何が大切かを明らかにする。それに対比して今の現実を見ると、創造的緊張が生じて推進力となる。そこから互いのビジョンを聞きみんなが大切にすることを共有して「共有ビジョン」を形成する力その2志を育成する力力その1複雑性を理解する力力その3共創的に対話する力

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る