キャリアガイダンスVol.447_別冊
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図4出所:『マンガでやさしくわかる学習する組織』小田理一郎、松尾陽子著、日本能率協会マネジメントセンター・ 実験から学びシステムの改善を図るVol.447 別冊特集③ 共有ビジョンと個人ビジョンの融合・ それぞれの役割と志を明確にする・ 志を重ね合い、共有ビジョンを築く・ 創造の視点から、システムへの介入の仮説や具体策を練る・ 自らの視点の前提・枠組みを内省する・ 鍵となる葛藤や対立を掘り下げるニケーションや学習のプランを練る② システムの観察と 多様な関係者による対話・ 対象となるシステムについて、何が起こっているか、なぜ起こっているかを観察し、関係者たちの間で対話する⑤ システム的な変化の展開・ 新しいシステムを組織のバリューチェーンやサプライチェーン規模で展開する・ より広く参画・普及を図るためのコミュことが必要です。さらに、自分が苦手とすることを得意とするような人とチームを組むこと。つまり、多様な人たちの協働力が重要になってきます」 これらの力を磨くことを意識したとき、高校生は進学先としてどのような大学を選択するのがいいのだろうか。 「一つには、人格・教養を養うために、学部・学科の専門知識だけでなく、幅広くリベラルアーツが学べること。また、これからの課題は一つの専門性だけでは解決できないことが増えてきますから、学部・学科や国籍が異なる多様な人たちとチームを組んで、学際的な学びやPBL(Project Based Learning)に取り組める環境であることも大切でしょう」 また、生徒・学生たちは先生の姿を見て学ぶ面もある。高校・大学など、学ぶ場自体が「学習する組織」であり、先生がそれを牽引するリーダーであることも重要なポイントだ。学習する組織の実践プロセス例① テーマとチームメンバーの設定・ 主宰チームができる・ テーマを設定する・ メンバーを招集する・ メンバー間の関係性を 構築・再構築する・ 学習する組織の3つの力を学ぶ④ 実験と学習・ システムの新しい構造を築くようなプロトタイプを早期に築き、仮説どおり機能するか検証する ここまでの説明を踏まえて、「学習する組織」の実践プロセスを示したのが上記の図だ。そして、ここで重要な役割を担うのが組織の変革を引っ張るリーダーだ。特に変革への適性がある人材が不足している中小企業や組織自体が若いベンチャー企業などでは20代の若手がその役割を担うケースも実際に増えてきていると小田氏は言う。 「その際に若手リーダーに求められるのは、まず先輩たちに対するリスペクトを忘れないこと。これを現場で適切に実践するためには早い段階から教養と人格を磨くことが大切です。次に内省と行動のバランス。内省型の人は積極的に行動する力を、行動型の人は立ち止まって内省する力を養い、両輪を身につける

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