キャリアガイダンスVol.447_別冊
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 私は未来会議に参加したメンバーの中では最年少でした。当時は入試広報課在籍でしたが(現在はキャリア支援課に異動)、職員としての業務では教員との交流はどうしても限定的になります。そのため、未来会議で多様な学部の多様な先生から、それぞれの教育にかける思いを聞くことができたのは貴重な経験でした。私は、職員として入試広報の業務を通して感じていたことなどを発言しましたが、それだけではありません。私は本学の卒業生で CUC入試制度に関しても、毎年のように改革や新制度導入を進めている。その一つが、高校の調査書等の内容を点数化し、40点分を配点する一般選抜の調査書得点という制度だ。 入試課の関 尚子さんは導入の背景・経緯を次のように振り返る。 「入試課では、CUCが育てたい学生を選抜するためにはどのような入試制度がいいのかを常に議論しています。本学は実学教育を重視し、学生が主体的に関わるプロジェクトを通した学びを大切にしています。その観点から考えたとき、重要になるのは学生の主体性や積極性、協働する力です。こうした力は学もあるので、議論のなかで、学ぶ側からの思い、学生として感じた本学の実学教育の強みなども伝えました。 未来会議は、今までの延長線上で考えるのではなく、「学生のために何ができるのか」を一からドリーミーに議論する場。私自身、それまで1を10にする仕事は得意でしたが、未来会議を経験したことで、0から1を生み出すことのワクワク感を知りました。もちろん、それは日常業務にも活きていて、「これでいいんだっけ」「もっとできることがあるのでは」と考力試験だけでは測れません。そこで出てきたアイデアが調査書の活用でした。調査書には高校時代の取り組みや成果など多くの有益な情報が含まれていることを日頃から感じていました」 高大接続にもつながるこの制度を試験的に導入。その後、この入試で入学した学生をリサーチしたところ、調査書の内容が優れている人の方が、大学入学後の成績がよい傾向が確認できたため、2021年から一般選抜のすべての入試で導入された。 また、2024年度入試から給費生総合型選抜のなかに探究学習評価型を新設する。このユニークな新制度の導入プロジェクトに参加した入試広報課の松原奈菜さんは次のように解説する。「探究学習で取り組んだことを提出してもらい、それに口頭試問を加えて評価の材料とする制度です。“こんなすごいことを探究してきた”ということもアピールえる習慣が養われたと思います。これからもキャリア支援の現場から大学の変化に貢献していきたいですね。してほしいですが、それだけでなく、“失敗したけどこんな気づきがあった”“次の学びに活かしていきたい”といった面も積極的に評価します」 入試広報課の職員として全国の高校を回っているなかで、それぞれの高校が探究学習に真摯に取り組んでいるのを直接知ったこと、探究学習がCUCの求める人材との親和性が高いことがこの新制度を導入した理由だという。 関さんも松原さんも民間企業からの転職者。入局してからはまだ若手だが、CUCでは経験年数にかかわらず、室課を横断したプロジェクトにアサインされることは珍しくないという。若手が改革にコミットし、とにかく「やってみる」の精神でトライできる環境が、CUCのクリエイティブな入試改革の下地となっている。Vol.447 別冊特集7入局8年目入試課関 尚子さん入局5年目キャリア支援課堀田知里さん入局2年目入試広報課松原奈菜さん

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