「言葉にすること」を考える前に、まずは参加者全員で簡単なワークを行った。熊平美香さんが考案したフレームワーク「認知の4点セット」を使って、誰にとっても身近な季節やものを、私たち一人ひとりがどのように見ているのか、言語化してみる内容だ。私たちは無意識のうちに、ある対象やトピックについての認知(対象を知覚し、それが何なのか判断すること)を行っている。このことを意識的に知るために、ワークではあるテーマに対する自分の「意見」、意見に紐づく「経験」、そのときの「感情」、そこから見える「価値観」の順で、言葉にして書き出してみる。夏真っ盛りの時期に座談会が行われたこともあって、最初にとりあげたテーマは「夏」。まずは、「夏」という言葉について、自分がどんな意見をもっているかを考える。好きか、嫌いか。夏が好きな人には、たいてい夏についてのポジティブな経験があって、楽しい・ワクワクした、といった感情が紐づいている。このようにして、自分の「夏」という言葉に対する捉え方を俯瞰して見てみると、自分が日頃から大切にしている価値観が、なんとなく浮かび上がってくる。実際にやってみると、夏という言葉一つとっても、異なる経験からそれぞ自分の内面を言語化するワークショップ同じ「夏」という言葉からそれぞれに異なる光景が見える 「私にしか言えない言葉」何かを知る、経験を振り返る、理解する、学ぶなどの過程で、自分がどのように認知を行っているのか、可視化するためのメソッドです。自分がもつ「意見」を確認し、その意見の背景にある「経験」「感情」「価値観」を切り分けて把握することで、自分の内面を深掘りし、多面的に振り返ることができるようになります。152023 OCT. Vol.448リフレクションの目的は、あらゆる経験から学び、未来に活かすこと。本書では著者が独自で開発したフレームワーク「認知の4点セット」を基に、リフレクションを自分とチームに活かす方法が紹介されている。※22ページ〜著者の熊平美香さんが登場される対談誌面もあわせてご覧ください。△購入特典オリジナルフレームワークより
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