キャリアガイダンスVol.448
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感想を聞くと、口を揃えて「こんなふうに自由に、思うことを語り合う場はなかなかないので、楽しかった!」と語る高校生たち。なかでも、言葉にできなくてもやもやする気持ちに、大人が共感してくれたことが嬉しかったようだ。大人との対話を通じて「間違った   言葉を使うことを恐れすぎなくてもいいのではと思った。その人の表現したい気持ちに即していれば、間違いということはない」「自分の気持ちにぴったり合う言葉なんてない。『言いすぎる』か『足りない』もの、という大人の方の発言が印象に残っている。大人になってもそうなんだ、と思った」と感じた高校生の声からは、日頃から「正しい言葉を使わなければいけない」「気持ちを100パーセント、言葉にして伝えなくてはいけない(伝えられるものだと思っている)」といったプレッシャーがあるのでは、ともうかがえる。本を読んでいてわからない言葉を調べたり、自分の気持ちをノートやSNSに書き留めたりしている高校生も多くいた。日々、言葉にならない気持ちと向き合う高校生の、自分の思いをもっと言葉にしたいという気持ちが見えた。町内在住の高校生および東川高校に通学する生徒を対象に、学校以外でも学習機会を得られるようにと開設された、北海道上川郡東川町の公設塾。地域の大人や現役大学生が講師となり、主要5教科の学習指導を行うほか、生徒たちの個性を活かした自主的な学びや進路実現のサポートを行っている。旧東川小学校を改修した複合交流施設・せんとぴゅあⅠの教室を利用しており、同階には東川町立東川日本語学校も。21〒071-1426 北海道上川郡東川町北町1丁目1番1号 東川町複合交流施設せんとぴゅあⅠ内「私にしか言えない言葉」2023 OCT. Vol.448

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